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2025年12月30日

きょうの潮流

 「大洪水よ、わが亡きあとに来たれ」。革命家カール・マルクスが「資本論」で「すべての資本家のスローガン」と指摘した言葉です。己のことや目先の利益しか考えない独善的な姿勢を批判しました▼時代は進み、いまでは財界自らも「社会的責任」を表明せざるをえなくなりました。日本経団連が昨年12月に発表した提言「フューチャーデザイン2040」でも「分配なくして持続的な成長はない」と強調。当時の十倉会長は、公正・公平な社会をつくる責任を果たすと語りました▼ところが、その十倉氏が会長を務める国際博覧会協会は大阪・関西万博の建設費2350億円の財界負担分(3分の1)が集まらないと閉会後に言い出す始末。1970年に開催された大阪万博の黒字収入でつくられた基金のうち43億円で穴埋めするとしました▼この基金は国際交流や跡地公園管理に使われており、今回の万博に流用する道理はありません。記者会見で本紙が十倉会長にただすと「当初からしんどいと思っていた。経済界は前売り券購入、人材出向、イベント参加などよくやっていただき感謝したい」と当然のように▼マルクスは先の言葉に続け「資本は社会によって強制されるのでなければ、労働者の健康と寿命に対して何ら気にかけることはない」とも▼600兆円を超える内部留保をため込みながら労働者・国民に還元しない財界・大企業。物価の高騰から生活を守るためにも、資本家や大企業に社会的責任を果たさせることが不可欠です。