【ワシントン=洞口昇幸】米野党民主党の下院議員47人は22日、トランプ大統領に連名書簡を送り、パレスチナ・ガザ地区での停戦合意(10月10日発効)をイスラエルに順守させるために「最大限の外交的圧力」をかけるよう求めました。書簡は、イスラエル軍が「ほぼ毎日」停戦合意に違反していると批判しています。
書簡に名を連ねた議員の大半は、民主党主流派のリベラル・穏健派です。
書簡は、イスラム組織ハマスも民間人やイスラエル兵の殺害など停戦合意に違反しているとしながら、「ハマスの違反に対するイスラエルの対応は過度・不均衡であり、結果として甚大な犠牲が生じていることに深い懸念を抱いている」と述べています。
停戦合意では軍事作戦停止が明確に定められているにもかかわらず、イスラエルは空爆や砲撃、射撃などで700回以上も合意に違反していると指摘。1500棟以上の建物を破壊したとする報道を取り上げ、国際人道法違反の可能性を指摘しています。
また、イスラエル側がガザへの人道支援物資の十分な搬入を認めず、検問所で大幅な遅延が発生しているとし、「すでに極めて深刻になっているガザの人道状況をさらに悪化させるだけだ」と強調しました。
書簡は、「ほぼ毎日みられる停戦合意違反は、地域を全面戦争へと引き戻す危険をはらんでいる」と強調。イスラエルへの外交的圧力の行使で、合意違反を終わらせることが不可欠だと訴えています。

