クリスマス前夜、ワクワクしながら眠りにつく子どもたち。サンタクロースが届けてくれるプレゼントに、興奮して眠れない…。童話にあるような光景はどれだけの子どもに訪れるでしょうか▼クリスマスや子どもの誕生日に本やケーキを贈って困難家庭などを支援しているNPO法人チャリティーサンタ。ことしプレゼントを申し込んだ困難家庭で、自分でプレゼントを準備できないからと答えた割合は16・6%にのぼりました。困難家庭の55%が子どもにクリスマスプレゼントをあげられなかった、との調査結果も▼サンタを信じることは子どもの想像力を育む上で大切で、いるかいないか、自分で納得できる解答を得ることが心の発達のためになると乳幼児心理学の専門家。一方、プレゼントがもらえない子どもにとっては「自分が悪い子だからサンタが来なかったんだ」と一種の「呪い」になりかねないといった指摘もあります▼日本では子どもの9人に1人が相対的貧困に。セーブ・ザ・チルドレンの調査では、子どもたちの食生活は昨年よりも悪化し、発育や精神面への悪影響など深刻さが増しています▼貧困や子どもを支援する団体は数多くありますが、国や行政はその善意に頼るだけ。貧困や格差という切実な問題に向き合おうとしない「冷たい国」から、子育て・子どもに「やさしい国」への転換は切実です▼人種、国境、宗教を超えて、どの子にとっても待ち遠しい日であるべきクリスマスが、「呪いの日」とならないためにも。
2025年12月24日

