(写真)質問する本村伸子議員=18日、衆院法務委
日本共産党の本村伸子議員は18日の衆院法務委員会で、政府が専門調査会の議論や当事者の声を無視し、第6次男女共同参画基本計画の答申案に旧姓の通称使用法制化の検討を盛り込んだ問題を追及しました。
政府の男女共同参画会議は、今後5年間の指針となる第6次基本計画の原案を首相に答申するため、昨年12月に専門調査会を設置。同調査会が今年8月に出した素案は、旧姓の通称使用法制化には言及していませんでしたが、政府はこれを踏まえず、法制化の検討を盛り込んだ答申案を今月12日に示しました。自民党と日本維新の会の連立政権合意書では、来年の通常国会で法制化の法案成立をめざすとしています。
本村氏は、専門調査会で出ていた選択的夫婦別姓を求める声や「旧姓の通称使用拡大は人権尊重の要請に応えられない」との意見を反映せず、調査会の素案の趣旨を「政府の都合で一方的に改変するやり方は家父長制的・非民主的だ」と批判し、この内容のまま答申を出すことは「絶対許されない」と強調しました。
さらに、「通称使用の法制化では解決できない問題がある」と指摘。アイデンティティーの喪失や個人特定の困難化のほか、旧姓に法的根拠を与えることで、かえって配偶者から通称使用を止められるケースが出てくるとの有識者の懸念を示しました。また、インドネシア勤務の女性は、書類に戸籍名を書くよう求められ、仕事上の通称を含め四つの氏名を使い分ける苦労を語ったと告発しました。
パブリックコメントでは“親子別姓になるため、選択的夫婦別姓には反対”だとの意見が寄せられたが、事実婚にせざるを得なかった夫婦の子どもの「夫婦や親子で名字が違う家族を肯定してほしい」との切実な声に応えるべきだと主張。平口洋法相は「旧氏使用の拡大を進めることで不便や不利益が軽減されていく」と拒否しました。本村氏は、委員会で子どもの声を聞くべきだと求めました。

