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2025年12月17日

きょうの潮流

 家には誰もいない/誰も誰かを呼ばない/木々は重く黙りこみ/まるで眠りにつくようだ/どこにも声は聞こえず/どこにも人の顔はない/家には誰もいない/みんな戦争へ行ってしまった(テティアナ・ヴラスワ)▼ウクライナの作家や詩人らが戦争や尊厳について語り合い、詩を朗読する集いが先日都内で開かれました。「死や絶望だけでなく、生命や愛を描いている私たちの文学や声が、日本や世界の人びとに届くこと」を願って▼毎晩のように続くロシアの攻撃。キーウから来日した作家は、朝起きてまず失われた命に黙とうし、それから普段の生活に戻るといいます。日常を保つことで生きていることを実感でき、それが前線で戦う兵士たちの士気にもつながっていると▼「戦場からの手紙」も紹介され、死と直面する悲惨な体験とともに妻への愛に満ちた思いが語られました。「私のいちばんの願いは、あなたとともに夢を見続けること。夜には美しい夢を分かち合い、昼には未来を夢見ることです」▼奪われた領土をめぐり、難局に立たされているウクライナ。いまなお6割をこえる国民が戦争に必要なだけ耐えると覚悟し、集いに参加したウクライナの青年も「停戦は望むが理不尽な要求は受け入れられない」と話します▼年を越せば5年目に入るロシアの軍事侵攻。「この詩は思い出させるだろう/12月の終わりに裸で歩く悲しげな人々を/暗い新年の通りを/最後の時間を/まもなくここに別の空気/別の生活が来るかのように」