日本共産党

メニューとじる

すべての記事が読める

赤旗電子版購読お申し込み

2025年12月17日

アイヌ遺骨盗掘を謝罪

考古学協会など声明

 北海道大学や京都大学などが先住民族であるアイヌ民族の遺骨を「研究目的」を口実に盗掘してきた過去に関して15日、関係学会が相次いで「歴史を反省し、アイヌの方々にお詫(わ)びする」とした声明を発表しました。

 日本考古学協会(石川日出志会長)は、「アイヌ遺骨・副葬品に関する会長声明」で、「日本列島における人類の歴史を研究する上で、多数者である和人側の一方的な決めつけや偏見、あるいは軽視によって、アイヌ民族の歴史が正当に位置づけられていないことが少なくありませんでした」と述べています。「先住民族としてのアイヌの誇りを尊重し、その文化や歴史が広く社会に正しく理解を得られるよう、研究のあり方を問い直し」たいと結んでいます。

 日本人類学会のお詫び声明では、「自然人類学者は、研究対象としてきたアイヌ遺骨の入手経緯に関する問題意識が薄く、これに対し当事者のアイヌの方々がどのような想(おも)いでいるかを深く考えてはきませんでした」としています。

 また、同日、日本文化人類学会を含めて3学協会会長連名で、アイヌヘイトに反対する声明も公開しました。声明は、「アイヌの人びとは今日においてもアイヌ民族としてのアイデンティティや独自の文化を継承し生活している、先住民族なのです。ヘイト(不当な差別的言動)は、そうした歴史を経て今にあるアイヌ民族の暮らしをふたたび脅かし、共生の理念を否定する言動に他なりません」と強調しています。

 北海道の「平取アイヌ遺骨を考える会」代表の木村二三夫さんは、「遺骨の盗掘は人の道に反することです。二つの学会の謝罪声明は、やっと人の道に戻りスタートラインにたった思いです。年明けには、それらの学会と話し合いたい」と語ります。