日本共産党の山添拓議員は15日の参院予算委員会で、企業・団体献金の全面禁止や、政治の責任での最低賃金1500円への引き上げ、大軍拡路線の転換を高市早苗首相に迫りました。
政治とカネ
上限超え続発 企業・団体献金禁止こそ
不正腐敗の温床絶て
(写真)質問する山添拓議員(右)=15日、参院予算委
山添氏は高市首相が代表を務める自民党支部が、政治資金規正法の上限を超える1千万円の企業献金を受けていた問題を取り上げ、繰り返される腐敗の根を絶つ企業・団体献金の禁止を迫りました。
山添氏は、自民党支部への上限超えの寄付が繰り返され、選挙直前や選挙期間中、国と取引がある企業から献金を受ける例も後を絶たないと指摘。高市首相自身も2017年総選挙中、21年総選挙直前に国と取引がある企業の献金を受け、返金したとして、なぜ企業献金の返金を繰り返すのかとただしました。
高市首相は「それほど繰り返してもいない」「報道され、返金しなければならないものではないが、あえて返金した」と開き直りました。
また、高市首相は党支部への献金は「私への献金ではない」と主張しています。山添氏は、高市首相が代表の支部に、上限超えの企業献金をしたドトールコーヒー創業者の鳥羽博道氏が、自民党総裁選の前のインタビューで「高市さんしかいない。いくらでも献金したい」と述べたことをあげ、「首相への献金でないか」とただしました。
高市首相は「政党支部と議員個人とは違う。支部は政党活動をする主体だ」と強弁。山添氏は、高市首相のホームページに「活動費の協力をいただける法人・その他の団体の皆様は、高市早苗が支部長を務める政党支部で寄付を受けます」との記載があるとして、「支部への寄付は首相への献金だ」と強調しました。
山添氏は、企業は政治家個人には献金できず、受け皿は政党支部だけだと指摘。30年前、企業・団体献金禁止の抜け道としたのが政党への献金とパーティー券だったとし、「企業献金の97%は自民党に集中し、不正腐敗の温床となってきた。首相のような言い訳を許さないためにも、企業献金は全面禁止しかない」と主張しました。
最低賃金
人間らしい生活を送れないでいいのか
全国1500円以上直ちに
山添氏は、石破前政権が掲げていた2020年代に最低賃金1500円の達成目標を高市政権が取り下げたことを巡り、「大企業の内部留保に時限的に課税して財源をつくり、中小企業を直接支援し、最低賃金は全国一律1500円以上にするよう直ちに踏み出すべきだ」と要求しました。
山添氏は、日本は世界と比べ最低賃金が低いと指摘(グラフ)。1500円は全労連などが全国で行う人間らしい生活に必要な最低生計費の調査に基づき要求してきた額だが、物価高で1500円でも足りないと強調。愛労連の調査で、名古屋市の若年単身者の場合は最低生計費が時給1806円必要と明らかになり、同調査は愛知県の地方最低賃金審議会でも採用されたと指摘し、人間らしい生活を送るのに現在の最低賃金で足りるのかとただしました。上野賢一郎厚生労働相は答えられませんでした。
山添氏は、最低生計費調査の結果では、全国どこでも1800円前後の時給が必要だと示し、200近い地方議会が全国一律の最低賃金を要求していると突きつけました。
法律上、最低賃金は公示日(おおむね9月上旬)から原則30日後に発効します。山添氏は、今年は発効日を11月以降としたのが27府県と過去最高で、群馬県や秋田県は来年3月と半年も遅れるのは、全国一律でなく地域別最賃だから起きていると批判。上野厚労相が事業者側の準備が必要だと答えたのに対し、山添氏は「暮らしていけない賃金を事業者側の都合で先送りというわけにはいかない」と主張しました。
山添氏は、岩手、徳島など5県が賃上げ企業への直接支援を行っていることをあげ、「中小企業支援は全国どこでも必要だ」と強調。直接支援を求める地方の声に応え、「経済動向を良くしていくためにも最低賃金の引き上げが必要で、国が直接支援すべきだ」と主張しました。
大軍拡路線
日米一体の戦争体制づくり下での危険
台湾有事発言撤回を
山添氏は、日中の一連の重要合意にも反する首相の台湾有事発言の危険性を指摘し、大軍拡路線の転換を求めました。
山添氏は、首相が、台湾有事が該当しうるとした「存立危機事態」について、「日本が攻撃されていなくても同盟国の米軍を守るために自衛隊が武力行使を行う違憲の集団的自衛権のことだ」と指摘し、このもとで日米一体の戦争体制づくりが進められてきたと強調。日米の統合司令部による連携強化など「米軍と無関係の軍拡ではないことは明白だ」と指摘しました。
山添氏は、9月に米オスプレイや陸上自衛隊の12式地対艦誘導弾などを展開し行われた米海兵隊と陸自の共同訓練「レゾリュート・ドラゴン25」に関し、「有事を想定し、日本列島をまるごとミサイル攻撃拠点とする米軍の作戦構想を日米一体で進めるものだ」と強調。こうした体制のもとでの首相の「台湾有事」発言は、台湾をめぐる米中の武力衝突に日本が参戦し中国と戦争することがあり得ると宣言したに等しく大問題だと厳しく批判しました。
さらに、台湾に関する日本政府の立場について、1972年の日中共同声明で「台湾が中国の領土の不可分の一部」との中国の立場を「十分理解し尊重する」とし、また日本が奪った台湾を中国に返還するとの「ポツダム宣言第8項に基づく立場を堅持する」と明記していると指摘。「日本は台湾の法的地位を認定する立場にないとするのが政府が繰り返し表明してきた立場だ」と強調しました。
2008年の日中共同声明でも「日中は互いに脅威とならない」と確認しているとして「台湾問題で日本が軍事介入することはこうした合意に反する」として認識をただしたことに首相は、台湾をめぐる問題は「対話により平和的に解決」するのがわが国の一貫した立場だと述べました。山添氏は「今の対立と緊張は首相の答弁がきっかけだ」と批判し答弁の撤回を求めました。
昨年に過去最高の432兆円もの世界の軍事費が国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」達成に及ぼす影響に関する国連報告書が、「増大した軍事費は、必ずしも平和と安定強化につながらず、武力紛争のリスクを高め、ほぼすべての持続可能な開発目標の進展を損なっている」と評価しているとし、受け止めをただしました。小泉進次郎防衛相は質問に答えず軍備増強を正当化。山添氏は「果てしない軍拡競争になる」と警告し「国連の指摘を重く受け止め大軍拡を転換すべきだ」と訴えました。

