8日深夜に発生した青森県東方沖のM7・5の地震で、最大震度6強を記録した青森県八戸市。地域からは、交通手段など住民生活の支障、「後発地震」への不安の声が聞かれました。(青森県・赤平加奈恵、東日本総局・伊藤佑亮)
(写真)市場の女性から話を聞く久保さん(左)=11日、青森県八戸市
青森県八戸市から岩手県久慈市までをつなぐJR八戸線(八戸―久慈)は、高架橋の大きな損傷が確認されたため、13日現在も全区間運休となっています。
JR東日本の発表によると、本八戸駅と小中野駅間の高架橋で、約20カ所が損傷。橋を支える柱のコンクリートが剥がれ落ちるなどの被害が確認されています。運休区間を受けての代行輸送は行われません。
八戸線は通勤する市民やや観光客の利用のほか、沿線には高校が複数あり高校生の重要な通学手段です。周辺の市町村から八戸市内に通う生徒もいるため、高校生にとっての影響は甚大です。
沿線の高校に勤務する、青森県高等学校・障害児学校教職員組合の田村儀則さんは、10日から学校が再開するも電車が使えないため、生徒は車による送迎やバスを使って通学していると話します。加えて、11日にはNTTの鉄塔損傷が確認され、周辺の国道も通行止めに。バスが大きく遅れる影響が重なりました。
運休が長引く可能性もある中、田村さんは「他市から電車を乗り継いで2時間かけて通学している生徒もいます。国道の通行止めや1日のバスの本数も限られ、毎日の送迎や通学費用の負担は大きい」と語り、一刻も早いJR八戸線の復旧や生徒が安心して登校できる手だての確保を求めました。
日本共産党三八地区委員会の久保将・地区委員長(前八戸市議)が11日に訪れた同市内湊町の魚市場でも八戸線の運休が話題になり、「客が全然こない」「早く復旧してほしい」という声も。
「(地震後)お客さんがばったりこなくなった」と言う海鮮珍味を扱う店の女性。「地震があった場所へ行くのを自粛する風潮で、また足が遠のくのではと心配している。コロナで落ちた客足が戻ってきていたのに」と肩を落としました。
8日夜に発生した被害に加えて、今回初めて発出された「北海道・三陸沖後発地震注意情報」への不安も広がっています。
揺れで棚から瓶入りの商品が落ちて割れたという男性の店主は、後発地震注意情報について「もちろん不安です。次が大きいかもしれないから」と言います。市場で働く女性も「東日本大震災の時は娘らが机の下に隠れて何とかなったが、今度はそうはいかないかも知れない」と話しました。

