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2025年12月13日

『資本論』がいよいよ生命力を発揮する時代がやってきた

「赤本」経験交流会 志位議長が発言

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(写真)「赤本」経験交流会でオンラインを通じて発言する志位和夫議長(右上)=12日、党本部

 日本共産党は12日、『Q&Aいま「資本論」がおもしろい』(赤本)学習の党県・地区の経験交流会をオンラインで開き、各地から7人が発言しました。最後に志位和夫議長は「『資本論』がいよいよ生命力を発揮する時代がやってきた」と題し、次の通り発言しました。

 志位氏は、「日本でも『資本論』を読むムーブメントを起こすことは可能だということが見えつつあります」と強調。交流会での発言を聞き、そこに「豊かな可能性」があると4点を述べました。

 (1)「赤本」「青本」(『Q&A共産主義と自由』)の内容が若い世代や労働者に強く響き、科学的社会主義を理論的基礎とする党の「土台中の土台」である『資本論』の魅力に触れて、入党する人が広がっていること。(2)党活動全体に新鮮な活力、明るさを与え、党の質を変えつつあること。(3)学習運動を力に、労働者党員が「これこそ搾取だ」と自覚し、職場の労働条件改善の交渉に足を震わせながら立ち上がった「勇気ある闘い」が開始されていること。(4)未来社会の魅力を受け身ではなく、共産主義の「基本原理」は「各個人の完全で自由な発展」(『資本論』)にあると自分の言葉で攻勢的に語れるようになったことなどです。

注目の高まり 一過性でない

 志位氏は、「学習運動を全党のとりくみに発展させ、草の根から運動を広げることができたら日本は変わるし、それは可能です。大志を持って発展させよう」と訴えました。

 そのうえで志位氏は、「とくに訴えたいこと」として2点を述べました。

 一つ目は、この運動を党内にとどめず、党外の人々に広く働きかける運動として発展させることです。

 志位氏は、自身が相次いで出演したネット番組での「赤本」「青本」をテーマにした対談で、「これまで党の声が届かなかった人々にまで共感を広げうる可能性を持っていることを驚きを持って実感しました」と話しました。対談した斎藤幸平東京大学准教授とは、それぞれの立場で『資本論』を読むムーブメントを日本でもつくっていくという点で協力していくことで意気投合しました。「『理論的な統一戦線』をつくる努力を追求し、それを国際的にも広げていきたい」と抱負を語りました。

 二つ目は、国内外でのマルクスと『資本論』への注目の高まりは、「偶然のものでも一過性のものでもない」ということです。

 志位氏は、「資本主義というシステムの矛盾がいよいよ深まり、『人類はこのシステムを続けていいのか』という問いが広くわき起こり、資本主義に代わる新しい社会への模索が広がっていることの反映です」と指摘。「『資本論』が、私たちが生きていく指針として、その生命力を存分に発揮する時代を、21世紀の今、迎えています」「『資本論』第一部刊行から158年。『158年たってもなお生命力を発揮している』にとどまらず、『158年たったいまこそますます生命力を発揮している』のが『資本論』です」と力説しました。

人類の課題を深く先駆的に

 今、資本主義的搾取はグローバルな規模で超富裕層の富の拡大と不平等の拡大を空前のレベルにまで拡大し、この問題を根本的に解決するには『資本論』が明らかにしているように資本主義体制そのものを変革するしかありません。さらに、21世紀の人類が抱える課題―自由な時間、環境、ジェンダー、教育、生産力―などについて『資本論』は「驚くほど深く立ち入り、先駆的に論じています」と強調しました。

 志位氏は、マルクスが『資本論』に込めた革命的メッセージ―資本主義を「必然的没落」に導く原動力となるのは、資本主義による矛盾や害悪とのたたかいのなかで、労働者階級が成長・発展をとげることにこそある―を広く労働者階級のものとすることが今ほど強く求められているときはないと、力を込めました。

 米国のニューヨーク市長選でのDSA(民主的社会主義)候補の勝利とDSAがとりくんでいる『資本論』学習をとりあげ、「いま帝国の心臓部で激動が起こっています」と述べました。

 21世紀の今『資本論』の内容をより豊かで充実した形で読むことができる新しい条件が発展してきているとして、志位氏は、新しい『マルクス・エンゲルス全集』(新『メガ』)の刊行によって、『資本論草稿集』が読めるようになったことで、「自由に処分できる時間」を深く把握する条件が生まれ、「赤本」「青本」をつくることが可能になったと強調しました。また、『新版 資本論』が、新『メガ』の諸条件を全面的に生かして編集されたものであることを強調。「21世紀の今、私たちは、エンゲルスと比べても、『資本論』の全体を理解する条件にめぐまれています。21世紀の今こそ『資本論』の学習にとりくむべきときです」と訴えました。

社会変革する国民的運動を

 最後に志位氏は、「日本でも『資本論』を読むムーブメントをつくり、社会を変革する国民的運動を発展させよう。それを支える質量ともに強く大きな党を草の根からつくるために力を尽くしましょう」と心を込めて語りかけました。