(写真)国会に向けて「スパイ防止法反対」と声を上げる宗教者たち=11日、東京都千代田区
参政党や国民民主党が今国会に提出し、自維政権も成立を狙う「スパイ防止法」案を巡り、仏教やキリスト教などの宗教者が11日、同法案は信仰の自由を監視し戦争する国につながるものだとして反対する集会を国会内で開きました。
主催者あいさつした浄土真宗本願寺派西善寺(広島県三次市)住職の小武正教さんは、自身の祖父を含む住職が戦死者を褒めたたえて「後に従え」と多くの若者を戦地に送った戦時中を振り返り、「仏教の教えを捨ててしまっていた。本当に悲しい」と強調。「戦争する国づくりの総仕上げであるスパイ防止法を成立させないために大きく声を上げよう」と呼びかけました。
平和を実現するキリスト者ネットの平良愛香さんは、戦時中に弾圧された宗教者は弾圧する側でもあったとして、「被害を受けないため以上に、加害者にならないために運動を強めたい」と話しました。
講演した東京慈恵会医科大学の小澤隆一名誉教授は、国内でもうけることが困難になった軍事産業が海外でもうけるために、企業や大学を総動員することがスパイ防止法の目的の一つだと指摘。多くの人が声を上げる必要性を訴えました。
「私たち宗教者・信者は“もう遅かった”と再び言わないために『スパイ防止法』に反対の声を上げます」などとする集会アピールを採択しました。
集会後、参加者は国会前で「スパイ防止法反対」などと声を上げました。

