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2025年12月12日

万博未払い企業 アジア大会受注

辰巳議員追及に首相「報告求める」
衆院予算委

 日本共産党の辰巳孝太郎議員は11日の衆院予算委員会で、大阪・関西万博工事で未払い問題を起こしているGLイベンツ社が、来年秋に開催される愛知・名古屋アジア大会(第20回アジア競技大会)でも会場設営業務を受注しているのは問題だとして、政府に対応を迫りました。高市早苗首相は「スポーツ庁として大会組織委員会を通じ同社からの報告を求める」と答弁。国として看過できない問題だと認めました。


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(写真)質問する辰巳孝太郎議員=11日、衆院予算委

 4カ国のパビリオン建設で未払いを起こしているGL社は、不明確な内容で下請けにやり直し工事を要求。費用も下請けに負担させ、契約の変更も行っていません。辰巳氏はこうした一方的な取引は建設業法違反に当たると指摘。金子恭之国土交通相は、建設業法19条に違反する可能性があると答弁しました。

 この問題に関し万博協会副会長の吉村洋文大阪府知事は「民民(民間同士)の問題」だとして対応を拒否しています。辰巳氏は「違法行為であり民民の問題ではない」と強調。万博推進本部長の首相には責任があると指摘し、下請けへの支払いを元請けに指導するよう求めました。

 首相は「民民の問題であるため全く関与しないという立場はとっていない」と答弁。GL社に建設業の許可を出している東京都に対し「国交省から情報提供や助言を行う」と述べました。

 GL社はアジア大会で、随意契約締結に必要な22億円の協賛金を支払い、630億円の業務を受注しています。辰巳氏は、未払い被害を訴えている下請け業者によると、この協賛金を理由にGL社は「資力がない」と主張していると指摘。大会組織委員会が、GL社に説明を求めた上で契約を続行しているのは「理解できない」と批判しました。

 補正予算案では同大会の運営経費に127億円を計上しています。辰巳氏は「国費が投入された大会で、未払い会社が問題を解決しないまま巨額の工事を受注している」と指摘し、未払い問題の解決なくしてアジア大会への国費投入はあり得ないと強調。吉村氏らが万博の「黒字」「成功」を強調していることを批判し「下請け業者の救済なくして、何が黒字、成功か」と主張しました。