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2025年12月11日

馬毛島基地総額1.3兆円超

補正予算案に3029億円計上
辺野古新基地に迫る

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(写真)馬毛島の葉山港で海上タクシーに乗り込み、種子島に戻る作業員ら=7月22日、鹿児島県西之表市

 防衛省が2025年度補正予算案に、馬毛島(鹿児島県西之表市)で進む自衛隊基地の建設費3029億円(契約ベース)を計上したことが分かりました。12年度以降で総額約1兆3276億円に上り、青天井に膨らんでいます。

 工事は種子島から約10キロ離れた無人島を丸ごと基地にする異例のもので、岩国基地(山口県)などで行われてきた米空母艦載機離着陸訓練(FCLP)の移転先とするもの。同省は最終的な総経費を示しておらず、さらに膨らむ可能性があります。沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設でも、政府は当初、総工費「9300億円」と説明していましたが、すでに2兆円に迫っています。物価高が暮らしを直撃する中、「日米同盟強化」を名目に税金を野放図に注ぎ込む異常な工事となっています。

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 補正予算案の馬毛島関連経費を項目別にみると、輸送費が619億円と多くを占めました。作業員や機材、燃料などを種子島から毎日運ばなければならないためです。10月時点で作業員は馬毛島に4200人、種子島に1840人居住しています。

 基地関連の仕事は他の産業と比べ報酬が高額なため、種子島では広範な業種で人材が流出。特に医療や介護で深刻な人手不足が起きています。巨額の税金投入が島の暮らしや産業に深刻な影響を及ぼしています。

 防衛省は昨年、完成時期が計画より3年遅れの30年3月末になると公表。27年までに滑走路の建設を終え、28年にFCLP開始を狙っています。

 同省は、補正予算案としては過去最高の8472億円を計上。そのうち米軍再編経費が最も多くを占め、再編経費の約8割が馬毛島関連です。財政法が「特に緊要となった経費」に限ると定める補正予算の趣旨から逸脱しています。

2025年度補正予算案の馬毛島に関する予算の内訳

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