日本共産党の小池晃書記局長は9日、国会内での記者会見で、日本共産党の堀川あきこ議員が衆院本会議で“中国による台湾侵攻には目をつぶるべきだ”と主張したかのような言説がインターネット上に流されているとして「デマとしか言いようがない」「こうした言説の拡散には厳しく抗議する」と述べました。
堀川氏は8日の衆院本会議で、台湾有事にかんする高市早苗首相の発言を巡り「そもそも日本は武力で台湾を奪い、中国大陸を侵略した歴史がある」と指摘。ポツダム宣言を受諾し、サンフランシスコ条約で台湾に関する全ての権利、権原、請求権を放棄したとして「日本は植民地支配と侵略戦争の加害国として、台湾問題に軍事的に関与してはならない特別の歴史的責任を負っている」と主張しました。
小池氏は「これをもって中国による台湾侵攻に目をつぶるべきだと主張したかのような言説が流されているが、そんなことは一言も言っていない」と批判。そもそも日本共産党は、台湾問題の平和的解決を求め、中国による武力の行使・威嚇に反対し、日米による軍事的介入にも一貫して反対してきたと述べました。
また、堀川氏は質問で、1972年の日中共同声明に「台湾が中国の領土の不可分の一部」とする中国政府の立場を、日本政府が「十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第8項に基づく立場を堅持する」と明記したことなどを指摘しています。
小池氏は、ポツダム宣言第8項の中身は、日本が奪った台湾を中国に返還することを盛り込んだカイロ宣言の履行だとして「まさに侵略戦争への反省を土台に置いたものだ」と強調。こうした経過をふまえ「堀川議員は当然の主張をしたにすぎない。これを中国による武力行使を容認したかのように描くことは断じて許されない。ネット上で主張し拡散することに厳しく抗議し、これ以上の発信には続く対応を考えたい」と述べました。

