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2025年12月6日

日本に軍事費大幅増要求

「対中国」で米国家安保戦略

 米ホワイトハウスは5日までに、トランプ政権の安全保障政策の指針となる「国家安全保障戦略(NSS)」を公表し、同盟国に軍事費を大幅に増やすよう要求しました。とりわけ対中国戦略で日本を名指しし、軍事費の大幅増額を要求しました。

 NSSは、台湾が経済的にも地政学的にも重要であり、台湾を巡る紛争抑止は「優先事項」だと強調。中国による「武力統一」を念頭に、「台湾海峡のいかなる現状変更も許さない」と表明しました。その上で、鹿児島沖から沖縄、南シナ海に至る「第1列島線」上の、「どこでも攻撃を拒否する能力を構築する」と述べました。

 同時に、それは米国単独ではなく、「同盟国は集団防衛のために能力を高め、(軍事)支出を増やし、実行しなければならない」と強調。日本と韓国を挙げ、「第1列島線を防衛し、敵を抑止するために必要な、新たな能力に焦点を当てた防衛支出の増加を強く迫らなければならない」と明記しました。

 「台湾有事は存立危機事態になり得る」として、米軍を支援するために集団的自衛権を行使し、中国に対する武力行使の可能性を表明した高市早苗首相の答弁は、まさに米戦略をなぞったものであることが如実に示されています。

 また、中国に対抗するためのブロック網強化にも言及。インドを取り込むため、日米印オーストラリアの枠組み(クアッド)を重視する方針を示しました。

 さらに、NSSは第1列島線に位置する同盟国に、米軍が港湾やその他の施設をより多く利用できるよう働きかけるとしています。日本政府は安保3文書に基づいて空港・港湾の軍事利用を拡大・強化しており、全国どこでも、「有事」に備えた米軍の拠点化につながる危険があります。