高市早苗政権が打ち出した総合経済対策は、財源の裏付けとなる2025年度補正予算案の一般会計からの歳出が17・7兆円の巨額に上ります。昨年の13・9兆円を3・8兆円上回り、コロナ禍後で最大となります。
■一時しのぎの対策
経済対策の第1の柱は、「物価高への対応」です。一般会計で約8・9兆円を計上します。
▽高校生以下の子ども1人あたり2万円▽自治体が自由に使える「重点支援地方交付金」で「おこめ券」や電子クーポンなどに利用できるようにする▽電気・ガス代を26年1~3月の3カ月間補助する―などのメニューが並びます。しかし、物価高対策としては一時しのぎにすぎません。
物価高対策として、最も効果が高く国民が強く望む消費税減税をすべきですが、やる気はありません。
第2の柱の「危機管理投資・成長投資」は一般会計で約6・4兆円を計上します。
官民連携の投資を行うとして、「AI・半導体に続き、造船、量子、重要鉱物など…に関し、新たな財源確保の枠組みについて検討」とのべます。造船では、「10年間の基金を創設し、…総額3500億円規模を目指す」など特定の大企業への奉仕となる財政支援の強化が目白押しです。安倍晋三政権がすすめたあげく失敗した政策を繰り返すものです。
第3の柱の「防衛力・外交力強化」は一般会計で約1・7兆円です。防衛力の強化が経済対策の柱として掲げられるのは初めてです。異常であり、重大です。
「防衛力の強化」すなわち軍拡の内容は、軍事費の「対GDP(国内総生産)比2%水準」の実現時期を、27年度から25年度中に前倒しするものです。補正予算に巨額の軍事費が盛り込まれます。
■円安進行で物価高
経済対策の裏付けとなる補正予算案の財源は税収の上振れ分などでは足りず、11・6兆円の国債の追加発行を余儀なくされます。経済対策の多くを借金である国債でまかなうことになります。
高市首相は、7日の予算委員会で「単年度のプライマリーバランス(基礎的財政収支)という考え方については取り下げると考えていただいて結構だ」と述べ、単年度での財政の黒字化目標の放棄を表明しています。
財政悪化を懸念して、円安や長期金利の上昇が進んでいます。大規模な経済対策の方針が報じられた20日には一時1ドル=157円をつけ、約10カ月ぶりの円安水準となりました。債券市場では国債が売られ、長期金利は17年半ぶりの高水準となりました。
高市首相は物価対策が「内閣の最優先課題」だと強調しますが、円安の進行はさらなる物価高を招きます。国債金利が上がれば利払い費が上昇し、財政を圧迫します。
財政法29条は、補正予算は、特別の事情が生じ、緊急を要するもの以外は計上してはならないと定めています。補正予算での軍拡は、財政法に明確に反します。
大軍拡と大企業支援のばらまきを転換し、国民の暮らしと経済を支えるべきです。

