(写真)「マイナ保険証」のトラブル調査結果を報告する保団連の山崎理事(左)と杉山理事=27日、東京都渋谷区
従来の健康保険証(社会保険)が12月2日で期限が切れるのを前に、全国保険医団体連合会(保団連)は27日、医療機関でトラブルが続く「マイナ保険証」の利用に関する実態調査の結果(中間集計)を発表しました。7割の医療機関でトラブルが発生し、その内容や状況が改善しないどころか、新たなトラブルが増えるなど、混乱する医療現場の実態が明らかになりました。
調査は10~11月に実施し、今回で6回目。9580医療機関から回答がありました。後期高齢者医療制度と多くの自治体の国民健康保険で、従来の保険証の有効期限が切れた8月以降の実態を聞き取りました。
マイナ保険証による資格確認でトラブルがあったかを問うと、7割が「あった」と回答。トラブルの内容(複数回答)では、「(マイナンバーカードの)有効期限切れ」がこれまでの調査より増加しました。トラブル対応方法(複数回答)は、従来の健康保険証での確認が73・8%、「いったん10割自己負担」での対応件数が3400件超に上り、大幅に増加しました。
杉山正隆理事は、政府が暫定的な資格確認の方法を増やす一方、周知が不十分なため「患者も医療現場も理解できていない。(12月2日以降)さらなる混乱が予想される」と警鐘を鳴らします。
先行して有効期限が切れた後期高齢、国保の患者の中には、期限切れの保険証を捨てるなどし、保険証を持たず受診する人が増えたといいます。政府は暫定措置として資格確認ができない状況でも保険請求を許可しています。ところが、調査では請求後に資格確認が取れないなどで請求が差し戻しとなった医療機関が4・6%ありました。
山崎利彦理事は、政府の対応は請求だけさせて、診療報酬の支払いの保障をしていないと指摘。赤字の医療機関も多く厳しい経営状況の中で、やむを得ず「いったん10割自己負担」を求めていると述べました。
オンラインで参加した井上美佐副会長は、マイナ保険証対応で苦労する現場の声を紹介し、「患者、医療現場を最優先に考えるならば、保険証を復活すること、当面は全員に資格確認書を自動で交付することが必要だ」と訴えました。

