文字通り「死の商人」国家への暴走です。
高市早苗・自維政権が、日本から海外に殺傷兵器を際限なく輸出できるようにしようとしています。
高市首相は今国会の所信表明演説で、政府の安全保障政策の基本方針などを定めた安保3文書の来年中の改定を目指すと述べました。これを受け、自民党は3文書改定に関する政府への提言を来春にもまとめる方向で議論を始めています。
その焦点の一つが、兵器の輸出政策です。
自民党と日本維新の会の連立政権合意書は、兵器の輸出政策に関し、来年の通常国会中に、現行の「防衛装備移転三原則」の「運用指針」が定める「5類型」を「撤廃」すると明記しています。
■殺傷兵器無制限に
「5類型」とは、日本からの兵器の輸出目的を「救難・輸送・警戒・監視・掃海」に限定するものです。これが撤廃されれば、殺傷力の高い兵器の輸出も無制限に拡大できることになります。
小泉進次郎防衛相はすでに「5類型」は「撤廃を進めていかなければならない」と述べ、自ら「(兵器の)トップセールス」まで行うと表明しています。
政府は1976年に国際紛争の助長を回避するためとして兵器の輸出を全面的に禁止しました。しかし、2014年に安倍晋三政権が「防衛装備移転三原則」と「運用指針」を策定し、解禁に踏み切りました。一方で「5類型」も盛り込みました。
政府はその後、殺傷兵器の輸出可能な範囲を次第に広げていきました。
23年には「三原則」と「運用指針」を改定し、外国企業のライセンス(許可)を得て日本国内で製造する兵器をライセンス元の国へ輸出できるようにしました。
その初の事例として、政府は今月、地対空ミサイル・パトリオットを米国に輸出したことを明らかにしました。米国がウクライナに同ミサイルを提供したことに伴い、米軍の在庫が不足し、それを補うために日本に輸出を要請したとされます。間接的なウクライナへの軍事支援です。
■他国民の殺害にも
24年にも「運用指針」を見直し、日本が英国、イタリアと共同開発する次期戦闘機を英・伊以外の第三国にも輸出可能にしました。日本が輸出した戦闘機が、他国の罪のない人々にミサイルを撃ち込む事態にもなりかねません。
今年8月には、豪州政府が導入予定の次期戦闘艦を、日本が提案する最新鋭の「もがみ」型護衛艦の改良型にすると発表しました。同艦は、他国領土への攻撃が可能な長射程ミサイルを搭載できます。
護衛艦は「5類型」には当てはまりません。そのため、これまでも認めてきた「共同開発・生産」という形をつくり、なし崩し的に輸出を進めようとしています。
「5類型」の撤廃によって、戦闘機や護衛艦など殺傷力の高い大型攻撃兵器の輸出も自由にできるようになります。国際紛争の助長につながり、憲法の平和主義をいっそう空洞化させる暴挙は許されません。

