住まいは生活の基盤です。しかし、日本の住宅政策は、長年の「持ち家政策」によって住宅確保について国は責任を負わない“住宅無策”の状況が続いてきました。
全住宅の約4割が賃貸住宅ですが、いま、物価高騰の中で家賃値上げが生活を直撃しています。若者や高齢者、障害者、シングルマザーら高家賃で困っている人に対して、国の責任による安い家賃の公営住宅の建設・供給と恒常的な家賃(住居費)補助制度の創設が求められます。
現在、民間の賃貸住宅に入居するには、連帯保証人や緊急連絡先のあるなしにかかわらず、賃借人が保証料を支払って家賃債務保証業者と契約しないと入居できません。入居申請の段階で生年月日を聞かれるケースも多く、70歳以上だと分かると、孤独死など“事故物件”になることを避けたい貸し主が入居申請を断る事例も増えています。
■普及はまだ限定的
日本共産党などの賛成で住宅セーフティネット法が改正され10月から施行されました。貸し手と住宅に困る人双方が安心できる仕組みとして「居住サポート住宅」が創設されました。
連帯保証人がいないなど住まいに困っている「住宅確保要配慮者」(高齢者やひとり親、被災者など)に対し、国が認めた認定家賃債務保証業者が家賃債務保証を引き受けます。入居後は、貸し手と連携する居住支援法人(援助実施者)が定期的な見守り・相談活動を行い、福祉サービスへつなぐ役割を果たす新しい制度です。居住支援法人の業務に、入居者が死亡したときの残置物処理を追加しています。しかし、既存賃貸住宅を居住サポート住宅として提供するかどうかは貸し手の利益に関わるため、普及は非常に少なく、家賃も安くありません。
人生100年時代、高齢者世帯は増加しています。国土交通省によると、65歳以上の単身高齢者世帯数は738万世帯(2020年)から816万世帯(25年)に、この5年間で78万世帯も増えました。40年には1千万世帯になる見通しで、高齢者が安心して住める住宅への潜在的要求はますます強まるでしょう。
■空き家を活用して
住宅全般で老朽化、空き家化が進んでいます。マンションでは、約2割が築後40年以上でそのうち世帯主が70歳以上が5割以上です。公営住宅では、約5割が築後40年以上で各地に空き室が増えています。持ち家でも、老朽化と防災・防犯面を不安に思う訴えが多くあります。
賃貸・売却用にならない「使用目的のない空き家」は、182万戸(1998年)から349万戸(2018年)に増え、5年後には470万戸に膨らむ見通しです。
全国借地借家人組合連合会は、行政が「使用目的のない空き家」を借り上げて、低家賃で住宅困窮者に提供するなど安い家賃で住める公営住宅を再構築することを提案しています。
住まいは人権です。暮らし続けられる住宅と家賃を保障するのが、国として重要な責任です。草の根から声と運動を広げましょう。

