(写真)質問する本村伸子議員=21日、衆院法務委
犯罪や非行をした人の立ち直りを支える保護司の担い手確保や活動環境の改善のため、任期延長や面接場所の提供などを盛り込んだ保護司法等改正案が21日、衆院法務委員会で全会一致で可決しました。
保護司は無報酬のボランティアで、非常勤の国家公務員です。対象者が社会復帰できるよう、専門的な知識に基づき、指導・監督を行う保護観察官と協働して地域で更生を支えています。しかし2025年版「犯罪白書」によると、保護司は20年の約4万9千人から24年には約4万6千人に減少。60歳以上が約8割を占め、担い手不足が問題となっています。24年には滋賀県大津市の自宅で面接中だったとみられる保護司が殺害される事件が起き、安全に面接できる場所の確保や支援整備を求める声があがっていました。
日本共産党の本村伸子議員が質疑で「保護司の方々から、面談の際にかかる費用を負担することもあると聞いた。全ての費用を公的に保障する必要がある」と迫ると、法務省の吉川崇保護局長は「負担の軽減に努めていく」と答弁。本村氏は、公共の施設で対象者と面談する際は、プライバシーへの配慮が必要だと指摘しました。
対象者を取り巻く環境は複雑で、更生保護には、より高い専門性が求められます。本村氏は「充実した研修とともに複数の体制でかかわることが更生保護の観点からも、安全性確保の観点からも必要だ」と指摘。平口洋法相は「保護司の研修の充実や、通訳の同席などに努める」と答弁しました。
本村氏は「より難しいケースは保護観察官が独自に担当する場合もある。保護司の方々からも増員を求める声がある」と指摘。平口法相は「人的体制の整備に努めたい」と応じました。

