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2025年11月16日

維新の会・藤田共同代表は赤旗記者名刺の投稿削除を

MIC・JCJの声明(全文)

 日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)と日本ジャーナリスト会議(JCJ)が14日、連名で発表した声明「政権与党幹部による『犬笛』に強く抗議する 日本維新の会藤田共同代表は赤旗記者名刺の投稿の削除を」は次の通りです。


 「しんぶん赤旗」日曜版が日本維新の会の藤田文武共同代表側に公金が還流したとの疑惑を報じたことを巡り、藤田氏が10月30日、しんぶん赤旗記者の名刺画像をXに投稿した。赤旗側は11月4日に「表現の自由と報道の自由を侵害する行為」として、投稿の削除と謝罪を求める申し入れを行った。赤旗側が期限とした10日を過ぎても削除はされず、藤田氏は12日の記者会見で「スタンスは変えるつもりはない」と強調し、改めて削除や謝罪をしない考えを示した。

 藤田代表は11月4日の記者会見で「携帯電話番号は消しているし、メールアドレスも消している。住所も含めてそれ以外は公開情報だ」と説明し、投稿は問題ないとした。ただ、メールアドレスは一部しか消していない。政権与党の一角を占める政党の代表者が、記者の名刺をSNSでさらす行為はいわゆる誹謗(ひぼう)中傷を誘発する「犬笛」効果が極めて高い。信頼性や検証可能性を高めるため、新聞記事に執筆記者の署名を併記するなど記者が記事を出すに当たって自らの氏名を公表するケースは増えているが、そのことと藤田氏の投稿は全く意味合いが異なる。

 実際、赤旗編集局によると、これまで、記者への嫌がらせなどの1万3千件を超えるメールが送られ、電話は30件以上寄せられているという。こうした記者への誹謗中傷などの攻撃は兵庫県知事に関する一連の問題や、参院選、ヘイトスピーチ問題などを巡って全国各地で相次いでいる。誹謗中傷のきっかけとなるのは、藤田氏の投稿のような政治家やインフルエンサーによる「犬笛」であることがほとんどだ。MICなどメディア労組は繰り返し抗議声明を発出し「誹謗中傷は『記者らの心身を萎縮させ、市民の知る権利を損ねる』」などと訴えている。過去の事例と照らし合わせても政権与党の幹部たる藤田氏による投稿は影響が大きく、言論の自由、報道の自由を著しく損ねる深刻な事態を招いている。直ちに投稿を削除することを求める。

 11月2日の赤旗日曜版が報じたのは、藤田氏側が、自身の公設第1秘書が代表の会社に約2千万円の公金を支出し、その会社が公設第1秘書に年720万円の報酬を支払っており「身内への税金還流」ではないかという疑惑だった。藤田氏は10月30日のXで「悪意のある恣意(しい)的な記事だが、全て実態のある正当な取引であり、専門家にも相談の上で適法に行っている」と反論、11月4日の記者会見でも「法的にはどこから切り取っても適正だ」などと改めて詳しく説明した。一方、「誤解や疑念を招くとの指摘を真摯(しんし)に受け止めたい」として、今後は秘書の会社への発注を取りやめる考えも示した。

 政治家として、報道に対して異論があれば記者会見等で反論をするのは当然で、その説明が市民の判断材料にもなるだろう。ただ、藤田氏が4日の会見で「『しんぶん赤旗』は報道機関ではない。公平な報道ではなくて政治的主張」としたことには強い違和感を覚える。しんぶん赤旗は共産党の機関紙ではあるものの、これまで、自民党派閥の裏金問題や「桜を見る会」問題などで、緻密な取材に基づいて事実を掘り起こしたスクープを連発し、社会に影響を与える報道を続けてきた。今回の赤旗の記事も報道活動の一環であり「政党と政党のやり取り」(11月12日の記者会見における藤田氏発言)として、名刺投稿を正当化する理由としていることは容認できない。しんぶん赤旗のみならず、全ての報道機関に関わる問題である。

 新聞、民放、出版、印刷などメディア関係の労働組合でつくるMICと、全国のジャーナリスト・市民でつくるJCJとして、今回の藤田氏による名刺投稿のようなメディアへの恫喝(どうかつ)、けん制に強く抗議し、報道、表現、言論の自由を守っていくことを改めて誓う。