【ワシントン=柴田菜央】米メディアによると、西部ワシントン州シアトルで4日に行われた市長選で、自ら社会主義者と名乗り富裕層課税などを訴えたケイティ・ウィルソン氏(43)の当選が確実となりました。13日時点の得票率はウィルソン氏が50・37%で、対立候補のブルース・ハレル現市長(67)は49・63%です。
シアトルは人口約81万の都市で、インターネット通販大手アマゾンや巨大IT企業マイクロソフトなどの大企業が集まるところです。4日に東部ニューヨークで行われた市長選では民主的社会主義を掲げるゾーラン・マムダニ氏が当選。どちらも経済格差の是正を訴えて支持を広げました。
ストに連帯表明
ウィルソン氏は13日、記者会見し、「次期市長を務めることをうれしく思う」と語り、ホームレス問題の解決や市民の生活苦の問題に取り組むと表明。同日には早速、スターバックスの労働者が実施したストライキに駆け付け、連帯を表明しました。ハレル氏からは同日、電話で祝意を伝えられたといいます。
公共交通機関の労働組合の共同設立者であるウィルソン氏は、交通アクセスの拡大や借家人の保護強化、富裕層への課税による住宅増設などを求めて活動してきました。夫と2歳の娘とともに寝室は一つのアパートに暮らしています。選挙戦では保育料の支払いに自身の両親から支援を受けている生活実態も公言して、貧富の格差を批判。市の住宅政策の拡充や市営の食料品店の設立を公約に掲げました。
企業の弁護士を務めていたハレル氏は、ウィルソン氏について「左寄りすぎる」「経験不足だ」などと批判を繰り返しました。
問われた「価格」
労働問題に取り組む団体「モア・パーフェクト・ユニオン」によると、シアトルの消費者物価は全米平均より13%高く、住宅価格は50%高くなっています。同団体は、今回の市長選は「不平等」や市民が生活できる「手ごろな価格」について問われた選挙だったと指摘しました。

