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2025年11月15日

論戦ハイライト

国による生活保護費違法減額
参院予算委 山添議員の追及

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(写真)高市早苗首相(手前左端)に質問する山添拓議員(右端)=14日、参院予算委

 日本共産党の山添拓議員は14日の参院予算委員会で、生活保護費の減額を違法と断罪した最高裁判決を巡って政府の認識をただし、影響を受けた全ての被害者に対し回復措置をとるよう求めました。

山添氏 減額やり直し許されぬ
首相 専門委の結論を得て判断

 最高裁は6月、国による2013~15年の生活保護基準の引き下げは「専門的知見が認められず、厚労大臣の裁量権の逸脱・乱用」で違法と判断しました。これを受け厚生労働省は、補償に関する専門委員会を設置し、議論を進めています。

 山添氏は同判決で「生きる権利を侵してきた政治が断罪された」と追及。首相は「反省とおわび」を口にする一方、「最高裁は当時の基準が最低限度の生活を下回っていたとは認定してない」などと主張しました。

 山添 最低限度の生活を下回る状態を強いてきたことは間違いない。原告団に直接謝罪しないのか。

 首相 基準改定が違法と判断されたことには、この場を借りて深く反省しおわび申し上げる。

 原告への直接謝罪を言明しない首相に対し、山添氏は、当時の厚労省が最大10%も保護費を削減した背景に、12年の自民党の選挙公約「生活保護費10%削減」への忖度(そんたく)があったと、一部地裁の判決が指摘していると追及しました。

 山添 12年当時の自民党政調会長はどなたか。

 首相 私だ。

 山添 自民党としての責任をどう認識しているか。

 首相 自民党の公約にかかわらず政府の判断で(保護費の)見直しを行った。

 山添 10%は戦後最大の削減だ。それをあおってきたのが自民党のマニフェストだと指摘されている。反省はないのか。

 上野賢一郎厚労相 民主党政権下の12年8月に成立した社会保障制度改革推進法の付則で生活保護基準の見直しが規定された。国会の動向、物価や支出水準などを総合的に判断し、引き下げ方針を決定した。

 山添 既に違法と判断されたものを今から正当化しようとする発言ぶりは理解に苦しむ。自民党としても反省、謝罪すべきだ。

 山添氏が13年以降の生活保護受給者数をただすと、上野厚労相は13年8月~25年7月に生活保護を開始した人数を積み上げると543万人だと述べました。山添氏は「減額の影響は今も続き、生活保護利用者はもちろん、利用していない低所得者にも被害をもたらした」と指摘しました。

 最高裁判決を受け協議している専門委員会で厚労省は、原告と原告以外の利用者とで補償額に差をつける案や、違法とされた方式を変えて減額をやり直す案などを示しています。

 山添 苦しんでいたのは原告もそれ以外(の利用者)も同じだ。最終的には政治決断だ。全ての被害者への全額補償を決断すべきだ。

 首相 専門委員会の決断を得た上で政府としての方針を決定していく。

 山添氏は、減額のやり直しを議論している政府を批判し、「紛争の蒸し返しであり断じて許されない」と強調。さらに、生活保護の基準改定が、他の多くの制度にも影響をもたらしていると追及しました。

 山添 例えば、経済的に苦しい家庭の子どもに給食費や学用品代を補助する就学援助の対象は、生活保護の基準と連動させる自治体が多い。当時、東京・中野区では200人が対象外になると報じられた。影響があったのではないか。

 厚労相 網羅的に全てを把握していない。

 山添 生活保護基準はナショナルミニマム(国の最低限度補償)で、多くの人にかかわる命のとりでだ。内閣の責任で他制度への影響も把握し、全ての被害者の回復措置をとるべきだ。

 首相 厚労大臣とよく協議していく。

 山添氏は、減額取り消しを求めた原告は1000人に上り、うち230人以上が既に亡くなっていると告発。「社会保障削減路線そのものが断罪された」と訴え、政策の転換を求めました。