自民党は14日、インテリジェンス(諜報=ちょうほう)戦略本部(本部長・小林鷹之政調会長)の初会合を開きました。自民・維新連立与党は、国民への日常的な監視・思想弾圧につながる「スパイ防止法」と一体で、対外的な情報活動を強化する狙いをあらわにしています。平和や民主主義に否定的な影響を与える動きとして注視していく必要があります。
会合では、検討の柱として、(1)司令塔機能の強化(2)対外情報収集能力の強化(3)外国からの干渉を防止する体制の構築―を提示。日本維新の会との連立政権合意を踏まえ、各省庁の情報を集約する「国家情報局」や「国家情報会議」の設置を最優先事項として議論を進めることを確認しました。
初回は、元警察官僚で内閣情報官や国家安全保障局長を務めた北村滋氏を講師に招きました。同氏は故・安倍晋三元首相の最側近の一人だったとされています。
自維の連立合意書は、国内情報機関のとりまとめ役とされる内閣情報調査室(内調)を「国家情報局」に、内閣情報官を「国家情報官」にそれぞれ格上げ。政府の安全保障部門の最上位部門「国家安全保障局」と同格にするとしています。
その上で、▽「日本版CIA(米中央情報局)と言われる「対外情報庁」の設立▽情報要員の養成▽スパイ防止関連法制の制定―を挙げています。こうしたことから、政府の情報機関強化と「スパイ防止法」制定を一体のものとして推進するものとみられます。
自民党の検討の柱として挙げている「対外情報収集能力」「外国からの干渉防止」は、敵対視する国を念頭に情報活動を強化することにつながり、「戦争国家」づくりの一環だと言えます。同時に、政府に批判的な国内の団体・個人と「外国勢力」との関係の有無を調査することになり、必然的に市民監視・言論弾圧・思想差別をもたらします。さらに、排外主義も助長しかねません。
対外情報活動は重要ですが、基本は戦争を防ぎ、平和を構築することを目的とすべきです。そのための手段として重要なのは外交です。主要国と比べて在外公館要員が圧倒的に少ない現状を直視すべきです。
複数の情報機関
現在、「情報機関」と呼べる組織(別項)は、存在が明らかになっている範囲だけで複数の省庁にまたがっています。内調は内閣情報衛星センターを設置し、防衛省とは別の衛星を運用しています。
日本の主な情報機関
■内閣官房=内閣情報調査室
■法務省=公安調査庁
■外務省=国際情報統括官
■防衛省・自衛隊=情報本部、情報保全隊(陸自別班?)
■警察庁=警備局公安課

