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2025年11月14日

世界社会主義フォーラム

緒方副委員長が発言

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(写真)世界社会主義フォーラムで、本を掲げて発言する緒方氏=3日、北京(小林拓也撮影)

 【北京=小林拓也】日本共産党の緒方靖夫副委員長は3、4の両日、北京で「世界の歴史の十字路と各国人民の選択」をテーマに開かれた第15回世界社会主義フォーラム(中国社会科学院が主催)に参加し、発言しました。

 これには、35カ国の政党代表や学者ら90人、中国の研究者100人が参加し、討論しました。

 3日の全体会議で緒方氏は、「資本主義の新たな矛盾の深化と未来社会」をテーマに発言し、日本共産党の理論活動の経験も含めて紹介しました。(大要別掲)

 緒方氏は、資本主義は永遠でなく、乗り越えた先に新しい社会システムがありうるなどの認識が世界で広まっていると指摘した上で、党の日本の現状分析、打開の方針、その後の社会主義への変革の戦略を述べました。

 当面の課題にとっても、社会主義本来の魅力を広げる活動を進め、志位和夫議長の著書、『共産主義と自由―「資本論」を導きに』と『いま「資本論」がおもしろい―マルクスとともに現代と未来を科学する』の2冊の普及を重視していると語りました。

 「資本論」を読むムーブメントをよびかけ、「理論的強化は党建設の戦略的な課題だ」と強調しました。

 最後に、この希望ある挑戦を進め、世界の社会主義の大義の前進、発達した資本主義国で人類未到の道を切りひらくために力を尽くすと結ぶと、会場から大きな拍手が起こりました。

 緒方氏の発言に対して、「日本共産党の社会変革の展望を初めて知った」「誰も通ったことのない道を切りひらく気概を感じた」「変革の常道として理論重視がよく分かった」などの感想が寄せられました。

 緒方氏は8日までの中国滞在中、北京で中国社会科学院日本研究所の座談会で講演。上海では、復旦大学日本研究センターと上海国際問題研究院を訪れ、専門家と意見交換しました。

資本主義の新たな矛盾の深化と未来社会
緒方副委員長の発言(大要)

 北京で開かれた第15回世界社会主義フォーラムで日本共産党の緒方靖夫副委員長が行った「資本主義の新たな矛盾の深化と未来社会」と題する発言(大要)は以下の通り。

 一、新自由主義下で深刻化する害悪

 資本主義、とりわけ新自由主義のもとで、二つの世界的害悪が深刻化してきた。(1)制御不能なほどに拡大する国内および国家間の不平等と格差は、国家の力を凌駕(りょうが)する巨大企業さえ表れるなど社会の均衡を超えている(2)気候危機と資源枯渇による環境危機は、地球の存続の危機を招いている。

 資本主義の矛盾の深刻さは打開策を打ち出せないほどに行き詰まっている。

 二、マルクスの理論への新たな注目

 ソ連崩壊直後には「資本主義万歳」と勝利を叫んだ米国において、多数が貧しく尊厳が無視されている疑問への回答をマルクスに求めるようになっており、「マルクス・ブーム」の現象が見られる。

 社会運動、気候正義の運動では資本主義に代わる社会システムが展望され、マルクスの理論が注目を集めている。

 三、党の社会変革の路線と理論的探求

 日本では、30年前に世界の18%を占めていたGDPが今日4%に低下するもとで、長時間・過密労働、低賃金など貧困化が進行している。その根源に財界優先と対米従属でゆがめられた政治がある。

 1、直面する矛盾打開のたたかい

 党の革命路線は、このゆがみを打破する民主主義革命を実現し、社会主義的変革を段階的に進めていくというもの。少なくない国民は、直面する課題解決の党の政策には納得しても、社会主義社会については疑問を持っており、それへの的確な回答は、将来の課題ではなく、当面する課題のためにも求められる。

 2、日本の条件下での未来社会

 未来社会の展望については、党綱領で以下のように明らかにしている。

 (1)社会主義的変革への全ての段階で、国民の合意を前提とする(2)「生産手段の社会化」では「生産者が主役」を貫く(3)市場経済を通じて社会主義に進むことは社会主義の法則的な発展方向である。

 3、「資本論」を読むムーブメント

 党は社会主義の本来の魅力を広げる活動を重視してきた。志位和夫議長が民主青年同盟主催のセミナーで行った二つの講演テキストがある。

 1冊は、講演『共産主義と自由――「資本論」を導きに』。資本主義的搾取によって奪われるのは、モノやカネだけでなく、搾取をなくすことで、労働時間が短縮され、すべての人が十分な「自由な時間」を得ることができる。それが「人間の自由で全面的な発展」を保証するカギであることを『資本論』に沿って解明している。現実に、労働運動において労働時間短縮のたたかいをはげますものとなっている。

 もう1冊は『いま「資本論」がおもしろい――マルクスとともに現代と未来を科学する』だ。『資本論』第1部の真髄を紹介している。資本主義社会の経済的運動法則を解明し、資本主義的搾取の根本的な解決には、社会主義への体制の変革が必要であること。さらに、古い体制の変革者として労働者階級の発展が社会変革の原動力であること。これらを今日生起している諸問題を交えて、現代と未来を解明している。この2冊を「変革と希望の書」としてセットで普及している。

 『資本論』の全容を、解説することは簡単ではない。原典を読むことを推奨し、そのために、『資本論』の最新の日本語版を4年前に完成した。マルクス主義理論の探求と共に、全党の理論的強化に努めてきた党として、『資本論』を読むムーブメントを党内外に呼びかけている。

 四、人類未踏の道を切り開くために

 変革の道を阻む勢力は巨大かつ強力である。資本主義の矛盾激化という客観的条件に加えて、国民的な支持、党勢、共同する勢力など主体的条件の成熟なしには、社会変革の事業の前進はない。

 それだけに、理論的強化は党建設の戦略的な課題である。発達した資本主義国である日本での社会主義をめざす社会変革の事業は、人類にとって未踏の道である。この希望ある挑戦を進め、世界の社会主義の大義の前進、人類の未来を切り開くために力を尽くしたい。