(写真)10月に大浦湾に戻った地盤改良船(再撤退し、現在は大浦湾に姿なし)=10月1日、沖縄県名護市辺野古(工藤逸男さん提供)
沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設強行を巡り、埋め立て区域北側の大浦湾に広がる軟弱地盤の「改良」工事を行っていた地盤改良船6隻すべてが6月に大浦湾から撤退した後、同工事が約5カ月間中断していることがわかりました。高市早苗首相は6日の参院本会議で、日本共産党の小池晃書記局長に「問題なく建設可能だ」と答弁しましたが、実態は深刻な行き詰まりに直面しています。
辺野古・大浦湾で監視活動を行っている中村吉且さんによると、大浦湾で作業していたSCP船(サンドコンパクション船)6隻を運用しているのは四つの業者。本紙の取材に応じた業者は、台風シーズンで海象条件が悪く、船が揺れれば、「砂くいを打設する(打ち込む)ことがまず不可能」と説明。大型台風などが来た場合、「波が大きくなって風も当然強く吹くので、最悪の事態になれば転倒ということも考えられる。そうした事態を避けるために避難している」と回答しました。
防衛省沖縄防衛局は1月29日、砂くいを打ち込んで地盤を固める「改良」工事を開始しましたが、台風シーズンが始まった6月10日以降、SCP船は6隻すべてが撤退。辺野古の海で抗議・監視活動を行っている「ヘリ基地反対協議会」によると、地盤改良船1隻が10月1日に大浦湾に戻りましたが、作業を一切始めないまま同6日までに再び大浦湾から撤退しました。沖縄防衛局は本紙の質問に「気象・海象にかかる情報などをふまえ安全確保のため地盤改良船を待避させている」と回答しました。
防衛省資料によると、大浦湾に砂くいなど約7万1000本を打ち込む予定で、開始からおおむね4年程度で完了する計画ですが、6月現在で約2900本にとどまっています。現在のペースでは、くいの打ち込みだけで約19年。2040年代までかかります。
沖縄は台風の常襲地帯です。台風シーズンに地盤改良工事ができないとなれば、工事は毎年、半年近く中断することになりますが、沖縄防衛局の工程表は台風による中断を想定していません。

