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2025年11月12日

赤旗記者名刺公表の維新・藤田氏

削除・謝罪要求 回答せず
放置で被害拡大

 日本維新の会の藤田文武共同代表が「しんぶん赤旗」日曜版記者の名刺画像をインターネット上に公表した問題で、赤旗編集局長と日曜版編集長が藤田氏に削除・謝罪を求めていましたが、藤田氏からは回答期限の10日までに書面での回答がありませんでした。今後、法的な検討に入ることになります。

 日曜版電子版が藤田氏をめぐる2千万円の税金還流疑惑の記事を配信(10月29日)した後、藤田氏は自身のX(旧ツイッター)に、取材を担当した日曜版記者の名刺画像を掲載。名刺画像には記者の氏名や部署、編集部の非公開の直通電話や、ごく一部を消した記者の携帯番号、メールアドレスなどの個人情報が含まれていました。

 赤旗編集局長と日曜版編集長は11月4日、「記者の名刺画像公開の削除と謝罪を求める申し入れ」をしました。▽政権与党によるジャーナリズムの取材活動への重大な妨害、威嚇行為▽個人情報の無断公開によるプライバシーの侵害―と指摘。(1)記者の名刺画像を含む投稿を速やかに削除すること、(2)赤旗編集局と記者に謝罪すること―などを求め、11月10日までに書面で回答するよう要求。名刺画像の削除と掲載への謝罪がない場合は法的な検討に入るとしていました。回答期限までに藤田氏からの書面での回答はありませんでした。

 藤田氏が記者の名刺画像を公開して以後、インターネット上には、藤田氏の投稿を引用した上で、記者名を示して「顔もあちこち出ているから、調子に乗って刺されないように前後左右気をつけていないといけない」と書き込んだ、刑法の脅迫罪にあたる可能性のある投稿もありました。(現在は削除)

 申し入れで指摘していた「記者個人への攻撃や嫌がらせを誘発する危険」が現実のものとなっています。

 藤田氏が名刺画像を公開して以後の1日から11日正午までに、記者のメールアドレスには、自動返信機能を悪用した1万2690件もの大量メールが届くなど正常な業務ができない状態になっています。申し入れをした4日時点では5千件超でしたが、藤田氏が削除をしないため、被害が拡大しています。

 藤田氏の名刺画像の公開については全国紙や地方紙が社説で厳しく批判。「朝日」(7日付)は、「自身に批判的な報道を抑えようという意図が透けて見える。ただちに画像は削除すべきだ」と書いています。