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2025年11月11日

主張

労働時間規制緩和
高市政権による逆行許さない

 高市早苗首相が就任後間もなく厚生労働相に指示した労働時間の規制緩和は、長時間労働是正への最悪の逆行であり、許されません。

 日本のフルタイム労働者の労働時間は欧州諸国に比べ年間300時間程度も長く「過労死」が後を絶ちません。2024年度の業務の負荷による過労死は、脳・心臓疾患による死亡67件、精神障害による自殺88件にのぼります。

 自公政権が18年に強行した「働き方改悪」で、労働基準法(労基法)の法定労働時間「1日8時間・週40時間」に重大な抜け穴がつくられました。残業時間の上限は特別の事情がある場合、労使協定によって「月100時間未満」「2~6カ月平均で月80時間」まで容認され、過労死に至る水準です。

■財界要求を丸のみ

 過労死水準の上限規制を見直すことが健康維持のための最優先課題です。ところが、高市首相は「心身の健康維持と従業者の選択を前提」としながら、これをさらに緩和しようとしています。

 今夏の参院選では自民党も「働きたい改革」の推進を公約とし、あたかも労働者が長時間労働の「選択」を求めているかのように描きました。

 しかし厚労省の試算では「就業時間を増やしたい」人は全体の6・4%、月80時間を超えて働きたい人は0・1%です。大多数の労働者が望んでいないにもかかわらず、労働時間の規制緩和を高市首相や自民党が推し進めるのは財界の要請に応えるためです。

 公労使三者で構成される労働政策審議会では、財界代表が、労使合意によって労基法を適用除外できる仕組みづくりや、労働時間の規制を受けない裁量労働制の対象業務の拡大を求め続けています。

 高市首相が労働時間の規制緩和を厚労相に指示したことは、財界要求の丸のみです。労働者と家族の命と暮らしを危険にさらす動きを加速させるものです。

■時短の共同幅広く

 当然、広範な人々の批判やたたかいが沸き起こっています。全労連は「労働組合として、これは絶対に認められない」とし、連合は「規制緩和は働き方改革への逆行」と批判する緊急アピールを表明。過労死遺族や過労死弁護団全国連絡会議も懸念や反対を表明し、新聞各紙も一斉に批判の論調を掲げました。

 賃上げとともに、まともな生活時間、自由な時間が欲しい、これが働く人の声です。日本共産党は残業時間の上限を例外なく「週15時間、月45時間、年360時間」とする規制を求めます。連続11時間の勤務間インターバル規制と7日ごとの1休日保障、サービス残業代2倍化なども急務です。いまこそ労働時間の規制強化で異常な長時間労働を解消し、労働者と家族の命と暮らしを守る国民的・民主的共同を大きく広げましょう。

 抜本的な労働時間短縮は、個人の自由な時間を確保して多様な暮らし方を支え、ジェンダー平等の推進に寄与するとともに、個人消費の増大による健全な経済発展にもつながります。大企業の内部留保を活用し、大幅賃上げと一体に、1日7時間・週35時間労働制を実現させましょう。