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2025年11月9日

許すな政権与党の報道妨害 「日曜版」記者への攻撃

恫喝行為 極めて異様
ジャーナリスト 青木理さん

 日本維新の会の藤田文武共同代表が、自身の税金還流疑惑を報じた「しんぶん赤旗」日曜版の担当記者の名刺画像をインターネット上にさらした問題。政権与党代表という権力者による報道機関への恫喝(どうかつ)に、ジャーナリストから批判の声があがっています。


写真

(写真)青木理さん

 どのようなメディアであれ、記事や情報の発信者が誰かを明かすのは、ジャーナリズムの基本原則です。ただ今回、日本維新の会の藤田共同代表が赤旗記者の名刺をネット上にさらした行為は、そうした原則とは位相が異なる論外の所業でしょう。

 藤田氏は「『しんぶん赤旗』に回答しない」と発言しましたが、これも論理のすり替えです。メディアの形態や成り立ちはさまざまですが、今回の問題はメディアの性格ではなく、そこで報じられた内容、すなわちファクトに基づいた記事の中身そのものです。

 言うまでもなくメディアとジャーナリズム最大の使命は、公権力を行使する者たちの監視です。まして藤田氏は連立政権の一翼を担う公党の代表であり、「赤旗」が伝えたのは政党助成金を含む税金の使途に関する重大疑惑です。

 なのに藤田氏は政党機関紙だからと論理をすり替え、記者の名刺までSNSにさらした。自らの支持者らに記者への攻撃を促しているに等しく、権力者が自身への批判をかわすため記者を恫喝(どうかつ)したり、圧力を加えたりする昨今の風潮の延長線上にあるように見えます。

 多くの人びとに「メディアが伝えるべきを伝えていない」といったメディア不信があるのは事実でしょう。だからといって藤田氏が論理をすり替えてメディア攻撃するのは明らかに不当であり、これはジャーナリズムの使命に対する攻撃でもあります。だから大手を含むメディア側も、「赤旗」に任せきりではなく、徹底した調査報道で疑惑を追及し、藤田氏に真摯(しんし)な説明も求めていくべきです。