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2025年11月8日

主張

衆参代表質問
首相の姿勢 民意無視が過ぎる

 与党過半数割れの審判を突きつけられた高市早苗首相は民意にどう向き合うのか―。衆参両院の各党代表質問での高市首相の答弁に注目しました。しかし、高市首相は、選挙で示された民意に向き合う意思をみせず、日本維新の会との連立政権合意に盛り込んだ「悪政推進プログラム」をひたすら突き進む姿をあらわにしました。

■裏金に向き合わず

 自民党派閥の裏金事件は与党過半数割れの大きな要因であり、引き続き問われる重大問題です。ところが、高市首相はまともに向き合おうとしません。

 裏金議員の要職起用についてただされても、「それぞれの議員が丁寧に真摯(しんし)に説明責任を尽くしてきた」と強弁。日本共産党の小池晃書記局長が政治腐敗の大本にある企業・団体献金の禁止に踏み込むよう求めても「企業、団体の政治活動の自由にかかわるもので、慎重に議論する必要がある」と拒否しました。

 高市首相が「最優先で取り組む」という物価高対策でも抜本的な施策はありません。日本共産党の田村智子委員長は、消費税減税を求める議員が国会の多数となったとして「国民が求める消費税減税を行うことが民意に応える道だ」と追及しましたが、これも拒否。田村氏が大企業や大資産家には減税、庶民には消費税で重い負担を負わせる税制のあり方をただし、小池氏が「消費税減税より有効な物価高対策があるなら示してほしい」と迫りましたが、まともに答えませんでした。

 田村・小池両氏は、医療機関や介護施設が赤字で危機的な状況となったのは診療報酬や介護報酬を抑え、賃上げや物価高に対応してこなかったからだと追及。このうえ、維新との合意に従って4兆円の医療費削減をすれば国民の命が脅かされるとして「社会保障に対する国庫負担の抜本的な増額が必要だ」と要求しました。

 高市首相は、暮らしの予算を削る一方で、軍事費だけは歯止めなく増やす姿勢を鮮明にしています。日米首脳会談で約束した軍事費増について、GDP(国内総生産)比2%の目標を2年前倒しで達成すると改めて表明しました。

 田村氏は、自民党が選挙公約もしていないことを勝手に持ち出し対米公約したとして「国民不在の対米従属外交そのものだ」と批判しました。

■問われる民主主義

 自民と維新が連立政権合意に盛り込み、急きょ持ち出した国会議員定数削減に対しては、各党から慎重意見が出されました。

 議員定数や選挙制度のあり方は民主主義の土台にかかわる問題です。与党の合意だけで強行することは許されません。田村氏は「国民の反対意見を国会から排除する宣言にほかならない」として議員定数削減反対の一点共同に力を尽くすと表明しました。

 自維連立政権は衆参両院で少数与党のままです。国民の審判を受け止め、暮らしをよくしてほしいという民意に耳を傾けない限り、国民との矛盾は深まるばかりです。一時的に高い支持率をえても、早晩行き詰まることは避けられません。