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2025年11月8日

きょうの潮流

 「名刺を配って回るのが記者の仕事だ。営業みたいなもんだから」。新人記者のころ、先輩からこう教えられました▼新聞記事は一部のコラムや特集などを除くと匿名ですが、取材時に名刺を渡しているので、取材相手はだれが記事を書いているのかを知っています。記事が間違っていれば、取材先から名刺記載の電話番号に電話がかかってくる。1枚の名刺が取材先との緊張関係をつくっています▼「大雨は早めに打たれてこい」。先輩はこうも言いました。記事の間違いを指摘されたら、すぐに非を認め謝罪する。それが信頼関係を回復する最も近い道です。逆に記事が正しければ、相手がどんな卑劣な態度に出ても堂々と反論します▼日本維新の会の藤田文武共同代表は「しんぶん赤旗」日曜版記者が取材時に提示した名刺の画像をSNSに公開しました。画像には編集部が公開していない電話番号や、担当記者のメールアドレスが推測できる状態でさらされていました▼自分が気に入らない記事を書かれると、見せしめとして記者の名刺をさらす。疑惑を解明するための会見で、説明責任を果たさず記者の質問にけんか腰で返す。こんな稚拙な行為を与党幹部がやっている。異常な連立政権です▼先輩は「権力は批判される存在だ」とも教えてくれました。権力者のおごり高ぶりを正すのはジャーナリズムの責務です。渡した名刺はその覚悟を示す証しであり、真摯(しんし)に対応していただきたい。維新はもう野党でも補完勢力でもないのですから。