取材した記者の名刺画像をX(旧ツイッター)で公開―。「しんぶん赤旗」日曜版のスクープで、身内への公金還流の疑惑を追及されている日本維新の会の藤田文武共同代表による記者を威嚇する常識外の行為です。表現、報道の自由を侵害する重大問題です。
記者の名刺画像には、公表されていない日曜版編集部の直通電話番号、ファクス番号などがそのまま掲載され、メールアドレスもごく一部を消して載せられています。
疑惑を取材される政治家が記者の名刺をネットで公開するなど異様です。「公党の共同代表のやることではない。犬笛だ」(郷原信郎弁護士)など驚きと批判の声が広がっています。
実際、編集部には「●●記者を出せ」など迷惑電話、メールが多数届き、ネット上で記者を脅迫する文言まで飛び交っています。
■口汚く赤旗攻撃も
この問題で4日、小木曽陽司しんぶん赤旗編集局長、山本豊彦同日曜版編集長は藤田氏に「記者の名刺画像公開の削除と謝罪を求める」申し入れをしました。
「政権与党幹部によるジャーナリズムの取材活動への重大な妨害、威嚇行為」であり、「個人情報の無断公開によるプライバシー侵害」と厳しく指摘。「権力監視の報道を妨害し、威嚇するもので、憲法で保障されている表現の自由と報道の自由を侵害する行為」と指弾しています。
しかし藤田氏は削除も謝罪も拒否。逆に「今後は『しんぶん赤旗』の質問には一切、返答しない」と開き直り、「『赤旗』は報道機関ではない」「公平な報道でなく政治的主張」「プロパガンダ紙」などと口汚く攻撃しました。悪罵を投げつけ、印象操作によって疑惑に答えるべき責任をごまかすやり方です。
藤田氏の疑惑は、公設第1秘書が経営する会社にビラなどの印刷を発注、約2100万円を支払い、その大部分が公金というもの。この会社には印刷機もなく、自宅マンションの一室が会社所在地です。なぜ藤田氏は印刷能力のない秘書の会社に発注していたのか、受注金額はいくらで外部への印刷委託の発注金額はいくらか、疑惑の核心です。
■削除と謝罪求める
「赤旗」は疑惑について事実確認を求めているのであり、与党の共同代表として堂々と事実を明らかにすればすむことです。事実をプロパガンダでごまかしてはなりません。
「赤旗」は、共産党の機関紙として、ジャーナリズムの一翼を担っています。自民党派閥をめぐる一連の裏金報道で日本外国特派員協会の2025年「報道の自由」賞を受賞しました。その授賞理由は「『赤旗』は党系出版社としてみなされているにもかかわらず、権力者を追及するジャーナリストとしての誠実さを示してきた」「かれらの活動は民主主義における独立したウオッチドッグ・ジャーナリズムの重要な役割を証明するもの」と評価しています。
与党の共同代表として藤田氏は、公金還流という重大疑惑に明確に答える責任があります。Xに公開した取材記者の名刺画像をただちに削除、謝罪すべきです。

