【ニューヨーク=柴田菜央、洞口昇幸】4日に投開票された米ニューヨーク市長選挙で、投票を終えた市民らに思いを聞きました。トランプ政権下で深刻さが増す生活費の高騰や経済的不平等、差別や排外主義、富裕層優遇の政治…。こうした政治の転換を民主的社会主義者のゾーラン・マムダニ氏(34)に託したという声が相次ぎました。
■高い家賃
「市民のことを考えているから」。開口一番にこう語ってマムダニ氏に投票したことを明かしたのはブレンザ・アカスタさん(49)。高額な医療保険や家賃の高さに頭を悩ませていると語り、「ニューヨークは住めない市になっている」と訴えました。
トランプ政権が進める移民税関捜査局(ICE)による移民の過剰な取り締まりにも「動揺している」と話します。過剰な取り締まりに対抗するマムダニ氏の姿勢と、「生活できるニューヨーク」との公約が心に響いたと語りました。
■政治献金
ニューヨーク州政府関係の公務員だというエミリーさん(23)は、最低賃金の大幅な引き上げなど、「生活費の危機」に対する解決策をマムダニ氏が明示していることから投票したと述べました。
社会主義という言葉に抵抗はないかとたずねると、エミリーさんは「まったくない。素晴らしい考えだ」と即答しました。民主的社会主義者のサンダース上院議員やオカシオコルテス下院議員の主張や姿勢がすでに多くの人から支持されていると強調。「マムダニ氏も大企業や金持ちの政治献金に操られずに、ひどいトランプ政権を倒すために正面から闘ってくれる」と語りました。
■排外主義
教員のビルさん(66)は長年、進歩派の政治家を支持してきました。今回特にマムダニ氏自身が若いことと、多くの若者らとともに政治運動の大波をつくりだしていることに、強い期待感を抱いているといいます。
ビルさんは、イスラエルの無法なパレスチナ占領を許さない立場にも共感すると述べ、「マムダニ氏は差別や排外主義を許さない。同時に包摂的で寛容な正しいビジョンを示している」と語りました。
■富の集中
大学生のキーロンさん(22)は、世界最大の資本主義国・米国の現状について「皆が働いて生み出したはずの富が所得上位層にあまりにも集中し、一般庶民が頼りにする公共サービスが削られていることをいつまでも解決できていない」と批判。「あいつは社会主義者だ、共産主義者だと政治的なレッテル貼りをするのではなく、どのようにして住み良い街や国をつくるのかが重要だ」と強調しました。
キーロンさんはマムダニ氏勝利の波及効果が他の国の政治・経済状況の改善にまで及ぶ可能性に思いをめぐらすと、「わくわくする」と目を輝かせました。

