2008年10月22日(水)「しんぶん赤旗」

2000万人失業増の恐れ

来年後半 2億1000万人に

金融危機の影響

ILOが予測


 国際労働機関(ILO)のソマビア事務局長は二十日、国際金融危機の影響で、世界全体の失業者が推定二千万人増加するとの見通しを示しました。ILOの試算によると、二〇〇七年時点で一億九千万人だった失業者は、〇九年後半には二億一千万人に達します。


 同事務局長は失業の拡大に加え、一日一ドル未満で生活するワーキングプア(働く貧困層)が約四千万人増加し、一日二ドル未満の層は一億人以上増えると予測。「長期にわたる深刻な社会的危機を避けるため、迅速で調整された各国政府の行動が必要だ」と述べました。

 同事務局長は、「これはウォール街の危機にとどまらず、あらゆる街にとっての危機だ」と強調。「ディーセントワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を提供する規則や政策など、労働世帯と実体経済を救済するための計画が必要だ」と述べ、各国政府に対策を求めました。「生産性の向上を、給料と雇用の拡大につなげるべきだ」とも語りました。

 米仏などが開催で合意した緊急サミット(首脳会議)にも言及し、「持続可能な事業とディーセントワークを守り、促進することが核心だ」と指摘。金融のあり方については、実体経済の促進という基礎的機能に戻すべきだとの考えを示しました。



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