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高市政権 空前の大企業バラマキ

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2027年度概算要求 「強く豊かな日本」投資枠に総額14兆円超

高市早苗政権は2027年度概算要求に、AI(人工知能)・半導体産業や軍事産業など、同政権が重視する戦略17分野を中心に国内投資を支援する「強く豊かな日本」投資枠を設けました。要求額には上限がなく、金額を明示しない事項要求も容認。各府省庁の要求総額は金額が示されたものだけで14兆2千億円に上ります。弱者を痛めつける社会保障削減路線を続ける一方で、大企業には空前のバラマキです。

なかでも目を引くのがAI関連の要求額の大きさです。経済産業省はAI・半導体・ロボット関連に約2兆円を要求。ソフトバンク、NEC、ソニーグループ、ホンダが中核となって設立された国産AI企業「ノエトラ」のもと26年度から進められているAIロボット開発事業に8964億円を計上しています。

文部科学省もAI関連に約4千億円を要求。教員が異常な長時間労働に追われるなか、AIで学校業務を軽減するなどとして884億円を計上する一方、教員の定数改善は50億円程度にすぎません。総務省も、自治体にAI活用を押しつける「自治体AX(AI化促進)/DX(デジタル化促進)」などとして約4千億円を求めています。

税優遇も継続

自民党政権の従来の大企業支援は研究開発減税など税制が中心でした。しかし、岸田文雄政権が「新しい資本主義」の名で半導体企業のラピダスやTSMCに兆円単位の補助金投入を決めて以降、税制面での大企業優遇を残したまま、特定の大企業に照準を合わせた国内投資支援の仕組みづくりを進めてきました。

23年には原発や半導体を含めて10年間で20兆円をつぎ込む「GX(脱炭素)推進対策費」を新設。24年にはさらに、ラピダスへの補助金などに7年間で10兆円を投じる「AI・半導体産業基盤強化フレーム」をつくりました。どちらも所管は経産省です。

「強く豊かな日本」投資枠は、この流れを加速するもの。ここでも中心は経産省です。投資枠での同省の要求額は6兆3116億円と全要求額の約半分を占めます。26年度予算と25年度補正予算の国内投資促進関連の合計2兆4537億円の2・6倍です(25年度補正を比較に含めるのは、27年度は従来補正で手当てしていた予算を含めて編成すると説明されているため)。

「勝ち筋」不明

投資枠は経済成長に向けた「勝ち筋」が明確になっていることを要件にし、大企業へのバラマキを合理化しています。実際には、現時点で実用化が見通せない量子コンピューター開発(2288億円)、採掘・精製に多くの課題を抱えるレアアース開発(6800億円)など、勝ち筋が不明な事業が多く入っています(ともに経産省)。

勝ち筋どころか全廃が必要な原発に、文科省は「次世代革新炉」の研究開発として314億円を要求。経産省は「廃炉フィジカルAI」の研究開発に470億円を求めるなど、廃炉名目で原発産業に巨額の資金を流そうとしています。

高市政権が経済安全保障や軍事を起点とした経済成長を掲げるもと、経産省は「経済安全保障・防衛産業基盤強化」に1兆5363億円を要求。外務省も、他国への武器提供を「防衛産業の国際展開推進」と位置づけ181億円を求めています。

国土交通省は「地域未来戦略」の名で高規格道路ネットワークの整備推進に5800億円を要望。別枠で、産業拠点と空港、港湾、物流拠点などを結ぶ高規格道路の整備予算を事項要求しています。大型港湾の整備に754億円を求めるなど、地域の公共交通を切り捨てる一方で、相変わらず輸出大企業に奉仕する大規模開発事業を推進しようとしています。

戦略17分野に位置づけられた「創薬・先端医療」は内閣府、厚生労働省、経産省がこぞって予算を要望しています。医療崩壊、介護崩壊と呼ばれる状況を生みだしながら、製薬業界やAI・ロボティクス業界に巨額の資金を振り向けようとしています。

文科省は、留学などを通じてAI時代に必要な資質や能力を大学生につけさせるとして「知的修羅場体験事業」に165億円を計上するなど、公教育を変質させ、産業界が求める人材育成を強めようとしています。

内閣官房が65億円、内閣府が188億円の広報費を投資枠に計上し、一般歳出と合わせて352億円の広報費を要望したことに「まるでプロパガンダ」との批判が上がっています。(佐久間亮)