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- とくほう・特報
- 2026.04.11
誘い誘われ 参加続々
「イエーイ 人生初デモ」

「平和憲法世界の宝」「アメリカいいなりもうやめて」などとコールする人たち=4月8日、国会正門前
「19時半からデモがあるかもしれないけど行かない?」「『もちろんだ』(動画スタンプで返信)。イエーイ! 人生初デモだ!」―。燎原(りょうげん)の火のように広がる反戦デモ。友人と誘い合い参加する女性グループが目につきます。一人で「推し活」ペンライトを振る人も大勢。その訳は―。(手島陽子、内藤真己子)
「センソーハンタイ、ノーウォー、ノーウォー」。8日夜、3万人が集まった「憲法を守るための緊急アクション」。国会正門前の歩道にコール&レスポンスが響き、リズムに合わせて無数のペンライトが揺れます。
アリーナ席だね
「ここアリーナ席だね」。スピーチ台に近い歩道で28歳の2人組はうなずきあいました。アリーナ席はライブコンサートの特等席のこと。手にはK―POPの「推し活」グッズ。直前に冒頭のLINEメールで意気投合しました。2人とも初参加。声をかけた旅行会社勤務の女性は「音楽を使ったデモとかが盛り上がっているのを見て、いま行くべきだと感じました。これなら交ざれる」。
自作したプラカード「悪政自民党の改憲を信用できません」が目を引きます。
「憲法改正を推す(ネットの)人を全面否定したくはないですが、自民党は統一協会問題でも裏金でも国民と向き合っておらず信用できません。憲法9条を変えたらいろんな理由をつけて(自衛隊の海外派兵が)OKになっていくのが怖い。消費税も、もとは無かったらしいのに、できたらどんどん上がっていった」
誘われたのは大学時代の友人で映画関連会社勤務の女性。「日常は政治と地続きだと彼女と話し合っています。戦争に向かえば表現の自由とか文化が一番最初に消し去られる」
おしゃれな「改憲反対」「高市やめろ」の文字の周りをハトが飛び交うイラスト動画。タブレット端末を掲げるHさん(27)はグラフィックデザイナーです。同性カップルパートナーのWさん(27)=広告業=に誘われ初参加しました。「持っていたデモのイメージと違いました。同年代の人たちがたくさんいてペンライトでキラキラ。本当に来て良かった」と。
高市首相に憤り
同性婚や選択的夫婦別姓に反対する高市首相。Hさんは「私たちのプライベートをなぜあなたが決めるのって憤りしかない」と怒ります。「未来の子どもたちが戦争に行くかもしれないのが絶対に許せません。9条を守らなければ」
アメリカによるイランへの攻撃でも「9条があったおかげで自衛隊を送らず、戦争に巻き込まれないで済んだ。歯止めになっている憲法を変えたらどうなるか。高市首相の外交をみていると不気味です」と訴えます。
(1面のつづき)
SNSで「デモ行かない?」
同期や趣味仲間と

ネットで「特注」したライトを持参する緊急アクション参加者=4月8日、国会正門前
Hさんをデモに誘ったパートナーのWさんは、2月からSNSで戦争反対を発信してきました。「これまで6人を『初デモ』に連れてきましたよ」と少し自慢げ。「デモへの偏見が強く、陰謀論とかあるけど、来てみたらそうじゃないと分かる。なぜデモしているのかも調べて参加してほしい」と呼びかけます。
ハト型のランプ、K―POPアイドルなどのペンライトを手にした3人組は全員26歳。イスラエルのガザ攻撃に抗議するデモに参加していた大学院生と公務員の2人は大学の同期。大学院生が「もし、今日の国会前デモに行く人がいたら一緒に行きませんか」とSNS発信し、高校の生徒会で一緒に活動した友人が来てくれました。彼女がSNSで声を上げているのをみてリスペクトしていました。友人は5日、東京・池袋で行われた反戦・憲法守れのデモにも行きました。「同じ目的で幅広い年齢層の人が集まるのはすごい」
憲法9条の価値について3人はこう口々に語りました。「難しい問題だと思っていますが、アメリカがホルムズ海峡に自衛隊を派遣しろと言ったとき、9条を理由に断れるのって一番大きい効力だと思っています」
推し活グッズを手に一人で参加する人も目立ちます。映画スターウォーズシリーズに出てくる架空の武器ライトセーバーのレプリカを光らせる25歳の漫画編集者の男性は映画「スターウォーズ」の大ファン。「本当は家で映画を見ていたい。でも戦争になったらそんなこともできないから来ました」。国家情報会議設置法案が審議入り、高市政権はスパイ防止法の制定も狙っています。「ライトセーバーを持つ人は映画の中でスパイとして弾圧されました。そんな世の中にしては絶対にいけない。ライトセーバーを持ってきたのはその象徴です」と。
ゲームの推し活ペンライトを手にした女性は29歳の非正規社員です。同じゲームのペンライトを持った人がライトを振りながら笑顔で駆け寄ってきました。同じ趣味の人と交流できるのもペンライトデモの魅力です。
女性は他国の戦争に巻き込まれず、攻撃されないから憲法9条を推します。「物価は高い。次の仕事が決まるかマジ分からない。政治が自分の生活を良くしてくれる実感が全然ない。だから自民党の政権が代わってほしいと思っています。選挙では共産党を推しています」と話しました。(3面)

