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物語いっぱいの教室で 公立小学校教員 青山きいろ
(3)さくやが教えてくれたから

2026年3月20日【くらし】

さくやは初めて出会ったとき、勝ち負けにものすごくこだわっていて、負けると感情を爆発させていました。ささいなことで友達をどついたり、蹴ったりする少し乱暴な男の子でした。

きららは、座って勉強をすることが苦手で教室に入れない女の子でした。それに、とってもわがままで、ちょっとでも気に入らないことがあると、友達を突き飛ばします。

そんな2人がいつの間にか、放課後に一緒に宿題をしているのです。文字を書くのが大嫌いで、今まで一度も宿題をやったことがなかったきららに、さくやが漢字を教えていました。

さくやは粘り強い子でした。「もういい! やらない!」と怒るきららに、根気強く説明するのです。教室の中では気付けなかった一面でした。

      イラスト なかねひかり

さくやの支えのおかげで、少しずつ成長していくきらら。なんと授業中に、ノートにひらがなを書いたのです。少しでしたが、黒板の文字を写したのです!

それから、生活科の時間には見つけた昆虫の特徴をつづるようになり、文字が書けるようになると、だんだんと学びの輪へ入ってくるようになってきました。

朝の「丸付けゲーム」の時、きららが黒板に書いた漢字に、さくやが大きな花丸を書きました。「さくやが教えてくれたから、できたんだよ」。きららは、少し照れくさそうに笑ったのでした。

1年生の時には、泣いている友達にひどいことを言って、さらに泣かせるような子だったさくやと、教室に入ることができず、学びに関わろうとしなかったきらら。子どもたちが、子どもの世界の関わりの中で優しさに触れ、自分たち自身で変わり、成長していきました。

忙しい日々の中「今すぐに、できるように」と焦ってしまうことも多いです。子どもの優しさを信じ、子どもの成長を待つ心のゆとりが大事だと、子どもたちに教えてもらいました。

(金曜掲載)