おすすめ
- くらし家庭
- 2026.03.10
物語いっぱいの教室で 公立小学校教員 青山きいろ
(1) 離島で子どもたちと
2026年3月6日【くらし】
私は、暖かい地域の離島の公立小学校で教員をしています。離島といっても全校生徒700人ほどの大きな小学校です。今年で7年目。かわいくて面白い、個性豊かな子どもたちです。
クラスに30人もいると、宿題のチェックで一苦労。「子どもとゆっくり語り合う時間がない!」という日だって少なくありません。
勤務校では、学年統一で宿題を出していました。2年生は(1)自主勉ノート2ページ(漢字と算数で、自分が苦手な所を勉強する)(2)プリント1枚(3)音読―が毎日。こんなにたくさんの宿題を1人で30人分もチェックするのは、本当に大変です。

イラスト なかねひかり
そこで、朝の帯タイムに、「全員で一斉プリント丸付けゲーム」をすることにしました。くじで当たった子が黒板に答えを書くという簡単なゲームです。「ゲーム」と名前が付くと楽しくなってしまい、みんな大喜びです。
黒板に覚えたての漢字をチョークで書くのが楽しみ。きれいに丁寧に書いた自分の字を、友達に見てもらいたくてうずうず。友達の前で大きな花丸を書いてもらえると、とてもうれしいのです。(私もプリントのチェックをしなくてすんでとっても楽でした。ありがとう、子どもの好奇心。笑)
分からない漢字は、私や友達に積極的に聞くようになりました。かっこよく正しい字を黒板に書きたくて、漢字ドリルや教科書で調べる子も増えてきました。(しめしめ…、良い方向へ進んでくれてラッキー)
学校に行くのが渋り気味だったわかば。いつも泣きながらお母さんと一緒に教室まで来ました。でも「丸付けゲームに参加したいから、遅れないように学校に行きたい。私、頑張る」と少しずつ自分で教室まで来られるようになりました。
初めて一人で教室に入れた5月の朝、2年2組の子どもたちが歓声を上げました。「わかば、一人で来られたね!」「わかばが泣かないで来られたよ!」。あの時の笑顔は今でも忘れられません。(金曜掲載)

