おすすめ
- くらし家庭
- 2026.01.29
近づく確定申告 税理士 佐伯和雅(中) 目安と対象になる費用は? 「医療費控除」の方法
2026年1月28日【くらし】
連載の第2回は、確定申告で多くの皆さんが利用する「医療費控除」を解説します。
基礎控除変更で還付額が異なる
医療費控除は、1年間に支払った医療費に応じて、税金の控除が受けられる制度です。
医療費控除を受けるには、還付となる所得税額があることが条件です。給料や年金から天引きされている源泉所得税や、事業所得者で計算の結果、所得税額が生じる場合には、計算に基づき所得税が還付されます。
第1回で解説したように、今年は基礎控除の額に変更があります。そのため、昨年と同じ程度の収入や医療費であっても、還付される所得税額が昨年と異なるのでご注意ください。
どのような支出が医療費控除の対象となるのか、簡単にまとめると次のようになります。
(1)医師等の診療に基づき、医師等が必要と認めた治療行為の費用や治療用具の購入費用
(2)自身と生計を一にする親族の医療費
一つずつ説明しましょう。
(1)医療費控除の対象となる支出について、保険適用の有無は関係ありません。医者等が必要と認めた医療行為であることが、医療費控除の要件となります。

控除額の計算は、高額医療費の還付や、医療保険からの保険金の受け取りがあった場合には注意が必要です。支払った医療費から、これら受け取った金額を差し引いた金額が医療費控除額になります。(上計算式)
ただし、差し引きするのは医療保険の給付の対象となった医療行為分だけです。例えば、目の手術で手術代が15万円かかり、保険金を20万円受け取ったとします。この場合、差し引くのは医療費の15万円が限度なので、引き切れない金額(5万円)があっても、ほかの医療費から差し引く必要はありません。
生計を一にする家族の分も対象
(2)「生計を一にする」というのは、単純に同居の状態を指すわけではありません。例えば、実家から離れて大学に通う子ども、同居していない親、療養などで施設にいる家族などの医療費を支払っていれば控除対象になります。
その条件として、自宅から離れている家族に定期的な送金をしている場合などには、「生計を一にする」に該当し、家族全員分の医療費を医療費控除の対象として合算できます。
医療費控除を受けられる目安は、10万円または所得の5%の、いずれか少ない金額を超えた金額が控除対象になります。医療費が10万円に達しなかった場合でも、所得金額が200万円以下であれば医療費控除を受けられる可能性があるので、諦めずに計算してみてください。
領収書は捨てず5年間保管して
最後に医療費控除の対象になる費用を紹介します(別項)。これらの領収書を集計し、「医療費控除の明細書」に記入して提出します。
領収書を税務署に提出する必要はありませんが、確定申告の期限から5年間は捨てずに自宅で保管してください。
保険請求などの理由で、医療費の領収書を提出しなければならない場合には、コピーを取って保管しておくとよいでしょう。
((上)は21日付に掲載、(下)は2月4日付に掲載予定)
医療費控除の対象
●治療や療養に必要な医薬品の購入費用
●入院時の部屋代や食事代(本人や家族の希望で個室に入院したときの差額ベッド料は対象外)
●通院費(自家用車のガソリン代、駐車場料金は対象外)
●妊娠中の定期検診費用や分べん費(里帰り出産のための帰省費用は対象外)
●治療のための柔道整復師などによる施術費(疲労回復のためのマッサージは対象外)
●補聴器、眼鏡の購入費用(医師による診療や治療のために直接必要な場合。眼鏡は弱視、斜視、緑内障などのためのもの。近視や遠視は対象外)
●6カ月以上の寝たきりの人のおむつ代(医師の証明書などが必要)
●介護保険で提供された一定の施設・居宅サービス費用(領収書に記載がある)

