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近づく確定申告 税理士 佐伯和雅
(上)今年の変更点・注意点は? 還付申告 早めがお勧め

2026年1月21日【くらし】

 確定申告の時期が近づいてきました(今年は2月16日~3月16日)。申告をすると納めすぎた税金が還付される場合があります。税理士の佐伯和雅さん(税理士法人・東京南部会計)がしくみを説明します。(毎週水曜日付の3回連載)

所得税は毎年改定が行われますが、2025年度の「税制改正」では、少数与党となったことから、手つかずだった基礎控除などの部分に大幅な改正がありました。連載の第1回は、確定申告の概要と今年の変更点、注意点を解説します。

今年、大幅な改定があったのは、「基礎控除」「給与所得控除」の金額、「特定親族特別控除」の創設です。まず、皆さんに大きくかかわりがある基礎控除について説明しましょう。

合計所得金額に応じて基礎控除額が改正されました(表)。昨年まで48万円だった納税者(本人の合計所得金額が2350万円以下)については、それぞれ引き上げられました。さらに、合計所得金額が132万円以下であれば、基礎控除額が95万円になります。

合計所得金額というのは、申告書でいうと、(12)の欄の金額のことです。

給与所得控除については、給与収入が190万円以下の範囲で、最低保障額が65万円に引き上げられました。例えば、収入が給与だけの人で、300万円の収入であれば、給与所得控除(収入金額×30%+8万円)後の給与所得額は202万円です。基礎控除額は88万円となります。

また、公的年金収入が年間200万円(雑所得)だけの65歳以上の人は、雑所得は90万円(200万円―公的年金等控除額110万円)となります。基礎控除額は95万円なので、所得税は課されないことになります。

変更していない 住民税基礎控除

ただし、特に注意しなければならないのが住民税です。

住民税の基礎控除の金額は43万円から変更されていません。所得税が減少、あるいは課税されなかった場合でも、住民税は、給与所得控除が増額された人(給与収入190万円以下の人)以外は、今まで通りの税金が賦課されます。国民健康保険料や後期高齢者医療保険料の減額も見込まれていません。これが、世間でいわれている「あまり減税されていない」ことの要因です。

次に還付申告について解説しましょう。所得税の申告のうち、全体の60%ほどが還付申告となっています。還付申告は2月16日の開始を待たずに行うことができます。早めに申告をすれば、還付金も比較的早い時期に戻ってきます。医療費控除や寄附(きふ)金控除などで還付が見込まれていれば、準備が整い次第、早めに手続きをしてもよいでしょう。

期限をすぎても5年分申告可能

何らかの理由で3月の申告期限をすぎてしまっても、確定申告の義務がない人について、5年間は還付申告を行うことができます。今年であれば、21年分(21年3月15日が申告期限のもの)まで還付申告ができます。過去5年分で、還付を受けることを忘れている申告があれば、諦めずに申告をしたほうがよいでしょう。

還付申告の方法は、書面でも電子(e―Tax)でもできます。どちらでも税金面での損得はないので、慣れた方法で手続きをしてください。

これから国会で審議される税制改定で、基礎控除はさらに変更が見込まれています。毎年制度が変わるのは煩雑です。シンプルで分かりやすい税制を求めていくことが大切だと思います。

((中)は28日付の予定)

「マイナンバー」の記載なしでもOK

「個人番号(マイナンバー)を確定申告書に記載しなければダメですか?」という質問が今でも多く寄せられます。

マイナンバーの記載は所得税の計算に何も関係ありません。国税庁もマイナンバー導入のときから、「マイナンバーの記載がなくても有効な申告書として受理する」という姿勢を変えていません。

確定申告で重要なのは正しく所得税を計算し、税金の還付がある場合はきちんと還付手続きを進めることです。