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日本共産党

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赤旗

 党国会議員団は12月17日に、経済産業省、環境省にたいして次の申入れを行いました。

内閣総理大臣 石破 茂 様
経済産業大臣 武藤 容治 様
環境大臣   浅尾 慶一郎 様

次期エネルギー基本計画の策定と2035年までの温室効果ガス削減目標に関する要請

2024年12月17日 日本共産党国会議員団

 猛暑、豪雨など気候変動の影響が現実のものとなっており、温室効果ガスの排出削減は急務となっている。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告では、気温上昇を1.5℃に抑えるためには世界全体の排出量を、2035年までに2019年比で60%削減する必要があるとしている。

 来年2月までに2035年までの削減計画(NDC)を国連に提出することとなっており、日本政府においても、削減目標の土台となる次期のエネルギー基本計画と地球温暖化対策計画が議論されている。その審議会において、35年度目標として2013年度比で60%削減という数字が提示された。これは、2019年度比で53%削減にすぎない。日本は、中米印露に次ぐ排出大国であり、その責任にふさわしい野心的な目標とすることが求められている。

 また日本政府は、G7で唯一、石炭火力発電の廃止期限を表明していない。石炭火力は発電部門で最大の二酸化炭素排出源であり、その廃止ぬきには、当面の大幅な排出削減も2050年排出量実質ゼロも達成できない。国連のグテレス事務総長も、先進国は2030年度までに石炭火力を廃止するよう求めている。

 報道によれば、原発については、「依存度低減」から「最大限活用」へと大転換し、新規建設を盛り込むとされている。東京電力福島第一原発事故の教訓を投げすてるものであり、言語道断である。地震・津波など災害大国の日本に原発があることの危険性は明らかである。

 温室効果ガス排出削減において重要なことは、省エネルギー対策(エネルギー利用効率の向上)と再生エネルギー活用である。化石燃料依存から抜け出すためにも、この二つを柱に据えることが不可欠である。既存の省エネ技術と再エネ技術の導入で、排出量を9割以上削減できるとの試算もある。省エネ・再エネについても、野心的なNDCにふさわしい目標を掲げるべきである。

 審議会について、委員の意見書が「黙殺」されるなど、「結論ありき?」(「毎日」12月13日付)との疑問が出されている。気候変動対策は、国民生活と日本、人類社会の現在と将来にとって極めて重要な課題となっており、その政策決定においては、国民の意思が十分に反映される必要がある。国会でも徹底した議論が必要である。

 ついては、以下のように要請する。

 

1.温室効果ガスについて2035年度までに2013年度比で75%~80%の排出削減(2019年度比71%~77%削減)する野心的な目標を掲げること。35年度までにエネルギー消費を6割減らし電力の再エネ比率を8割にするなど、積極的な目標を掲げてとりくむこと

2.2030年度までに石炭火力を廃止すること

3.次期エネルギー基本計画に、原子力の「最大限活用」や新規建設を盛り込むことは福島第一原発事故の教訓を投げすてるものである。すみやかに原発ゼロをすすめ、2030年度までに原発の発電量はゼロとすること

4.市民参加の議論の場をしっかり保障すること。次期エネルギー基本計画については、閣議決定だけで決めるのではなく、国会で審議すること

政策