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赤旗

82、シベリア・モンゴル抑留者

シベリア・モンゴル抑留者の実態全容解明と遺骨収集をすすめ、抑留の歴史を継承します

2024年10月

 1945年8月23日、旧ソ連のスターリンによる強制抑留指令から77年がたちます。国際法違反の戦争犯罪を、断じて許すことはできません。

 2010年6月に「戦後強制抑留者に係る問題に関する特別措置法(シベリア特措法)」が、旧ソ連のシベリアやモンゴルに抑留され、強制労働に従事させられた元抑留者や遺族のねばり強い運動によって制定されました。

 シベリア特措法に基づき2012年3月までに、元抑留者には特別給付金(25万円~150万円)が支給されました。

 しかし、強制抑留の全容解明はいまだ実現していません。6万人以上とされる死没者の遺骨も、収集できたのは約2万2,000柱に過ぎず、故郷から遠く離れた地にいまだに多くの遺骨が残されたままです。

抑留の全容解明と遺骨の収集は、国の責務

 シベリア特措法第13条は、政府に対して、強制抑留の実態調査等についての基本方針を策定し、強制抑留下での死亡確認や遺骨、遺品の収集を行うこと、また、シベリア抑留問題に関する真実の究明、過酷な抑留体験の次世代への継承などの総合的な取り組みを、国が責任をもって実施することを定めています。13条にもとづく国の責務を果たすため、政府は、ソ連を継承したロシア政府にも責任と負担をもとめて、解決にあたるべきです。また、モンゴルなど関係国すべてと協力して、実態解明に全力をあげるよう求めます。

 抑留者の名簿などが明らかにされてきたものの、抑留の全体像が明らかになっていません。ロシア政府に対し積極的な情報開示を求め、抑留の全体像の解明をすすめます。

次世代への継承を

 政府は、「強制抑留の実態調査等に関する基本的な方針」を閣議決定し、予算措置をおこなってきましたが、そのとりくみは不十分です。シベリア特措法制定以後も、元強制抑留者や遺族の運動、シベリア抑留問題を研究する国内外の識者や専門家等の努力のなかで、新たな資料や事実も明らかになっています。

 民間も参加した日ロ共同の調査機構の設置、遺骨収集の体制の抜本的強化などを着実に実施します。

 抑留の歴史の真実を広く国民に広げ、歴史的検証を徹底しておこなうなかで、元抑留者の「次世代にも継承してほしい」という強い願いにこたえます。

日本国籍以外の元抑留者にも給付金を

 特措法が特別給付金受給者について「日本国籍を有する生存者」としたため、日本軍の軍人・軍属だった台湾や朝鮮半島出身等の強制抑留者が対象から外されていることも大きな問題です。日本国籍以外の元強制抑留者に応える方策を検討します。

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