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日本共産党

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赤旗

60、情報公開・公文書管理

公文書の隠蔽・改ざん・破棄・ねつ造、民主主義、国民の知る権利

2024年10月

「国民の知る権利」を保障し民主主義を成り立たせるため、公文書管理と情報公開のあり方を根本からあらため、公正・公平な行政を確立します

 森友学園への国有地売却に関する財務省決裁済みの公文書の改ざん事件、国家戦略特区による加計学園への獣医学部設置問題、陸上自衛隊南スーダンPKO派遣部隊の日報問題、裁量労働制データねつ造問題、政府が特に重要と定める基幹統計である毎月勤労統計・建設工事受注動態統計の不正問題、「桜を見る会」の招待者名簿破棄など、安倍・菅・岸田政権のもとで、政権にとって都合の悪い文書の公開を拒否し、さらには公文書の違法な隠蔽、改ざん、破棄、ねつ造が行われ、それを糊塗するために官邸ぐるみでウソとごまかしが積み重ねられてきました。

 また、内閣法制局が集団的自衛権の行使容認の閣議決定に必要な憲法9条解釈変更の内部検討過程の文書を残さず、原子力規制委員会は作成が義務づけられている行政ファイル管理簿をつくらず、内閣総理大臣や官房長官が官庁幹部と面談した際の議事概要などの記録も作成していないことも発覚しています。さらに、秘密保護法の施行下で、公文書が国民に隠され、勝手に廃棄される由々しき事態も起きています。

 自民党政権が、公文書を「国民共有の知的資源」と位置付ける公文書管理法を踏みにじり、国民の知る権利を侵害していることは重大です。国民に真実の情報を公開することなくして、民主主義は成り立ちません。ウソとごまかしで真実を隠蔽する自民党政治は、民主主義を土台から壊すものです。

公文書は「国民共有の知的資源」として、作成・保存・管理します

 公文書管理法は、公文書を「健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源」と位置付けたうえで、「現在及び将来の国民に説明する責務」を果たすため、行政機関が「経緯を含めた意思決定に至る過程」を「合理的に跡付け」「検証する」ことができるよう文書を作成することを義務付けています。この法の趣旨が実行できるように、公文書の作成、整理・保存、管理の在り方を根本から改革します。

 いま、新国立公文書館の開館に向け、準備が進められています。2020年度から、国立公文書館による「認証アーキビスト」の制度が始まっています。国立公文書館は、アーキビストを「組織において日々作成される膨大な記録の中から、世代を超えて永続的な価値を有する記録を評価選別し、将来にわたっての利用を保証するという極めて重要な役割を担う」としています。後世に伝えられるべき重要な記録、歴史を喪わないためにも、アーキビストなど専門職の配置が重要です。

 また、国の公文書管理だけでなく、自治体など地方の行政機関における公文書の管理も重要です。

―――「加計学園」問題では「総理の意向」などが記載された文書が個人のメモとされましたが、これは行政文書の範囲を恣意的な解釈で不当に狭めるものです。行政機関の職員が職務に関し作成・取得した文書、記録、データなどは、その保管場所や保管形態を問わず、すべて行政文書として扱うように法改正します。

―――1年未満の保存期間の行政文書が公文書管理法の規制の例外とされていることが「抜け穴」となっています。恣意的な文書廃棄の「抜け穴」を許さないように法改正を行います。公文書管理法8条には文書ファイルを廃棄するときは内閣総理大臣の同意が必要と定めていますが、重要な文書が捨てられてしまうことのないように廃棄予定の文書ファイルリストを公示し、国民がチェックし、異議申し立てができるようにします。

―――陸上自衛隊の南スーダン派遣部隊の日報問題では、後に、日報が電子媒体で保管されていたことが明らかになりました。電子媒体は大量に保管することが可能であり、その重要度を検証の上、保存か破棄かを決定できる時期まで、すべてを保存することも可能です。今日、ほとんどの文書が電子媒体で作成されているもとで、それにふさわしい制度・体制を整備します。

―――「経緯を含めた意思決定に至る経過」を検証できるようにするため、行政機関に設置されている審議会・専門委員会・ワーキンググループ等(私的諮問機関含む)の会議はすべて議事録に記録し、インターネット上で閲覧できるようにします。

―――国立公文書館は、国民の知る権利を保障するにふさわしい規模と体制にすべきです。行政文書の作成・管理のための独立した専門人材(アーキビスト)を育成、配置し、行政機関の長の判断を優先させる扱いを改めさせます。

―――自治体の公文書管理改善、地方公文書館の設置を促進します。「当分の間」、自治体設置の公文書館には「専門職員を置かないことができる」とした公文書館法の規定を見直し、アーキビストなど専門職配置を進めます。

政府・行政が保有する情報・文書は公開が原則です

 公正で民主的な行政、透明な行政運営を実現するためには、主権者・国民に、政府が保有する情報について「公開」することが原則です。国民が必要な行政情報を的確に入手できることは、国民主権に基づく国民の基本的な権利です。政府が国民に説明する責務を全うすることで、民主主義が成り立ち、国民の「知る権利」を保障することになります。

 非開示は、外交交渉の最中の情報などに限定されるべきであり、政府の勝手な判断で秘密を指定できる秘密保護法体制は、情報公開に真っ向から反し、妨げるものであり、廃止しなければなりません。

 現行の情報公開法は、「原則公開」の例外を広く認めているなどの問題があり、抜本改革が必要です。

―――「不開示情報」にできる条件を厳格化します。行政機関が保有する企業情報について、政府が不開示の根拠としてきた法5条2号ロの規定(行政機関の要請を受けて、公にしないとの条件で任意に提供されたものであって、法人等又は個人における通例として公にしないこととされているものその他の当該条件を付することが当該情報の性質、当時の状況等に照らして合理的であると認められるもの)を削除します。

―――国際的基準である、公開の「30年原則」を義務付けます。

―――全ての情報を情報公開法の開示請求の対象とし、不開示に対する不服審査においては裁判官のインカメラ審査を導入します。

―――情報公開請求にあたっての利用料は原則廃止します。

国会の公文書管理・情報公開をすすめます

 わが党は、立法府の公文書管理法・情報公開法の制定をすすめるよう提案を行ってきました。とくに、国会の公文書管理について、国会事務局の「議院行政文書」だけでなく、議員による立法作業や調査活動に係る「立法調査文書」等も、その文書の管理・公開を図るようルール制定に向けた議論が必要です。

 ➡各分野の政策「61、『国会改革』と議会制民主主義」もごらんください。

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