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日本共産党

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赤旗

2020年9月11日

厚生労働大臣 加藤勝信 殿

日本共産党国会議員団

コロナ禍から雇用と暮らしを守るための緊急申し入れ

 新型コロナウィルスの感染拡大および緊急事態宣言のもとでの急激な経済活動の縮小によって、今年4~6月期の国内総生産は年率換算で実質マイナス28.1%という戦後最悪の落ち込みとなりました。いま雇用を守り、暮らしを支える施策を強化することが緊急に求められます。

国内経済の悪化を食い止め持続可能な経済とするためには、解雇・雇い止めを最大限回避し、生活を維持しうる収入を全ての国民に保障することが求められます。ところが政府は、雇用調整助成金の特例措置について来年1月以降は特例措置の縮小を示唆しています。また、休業支援給付金は4~6月分は9月末を締め切りとしていますが、申請22・6万件、支給決定10・9万件(9月8日現在)にとどまり、予算額5400億円に対して約1.4%しか支給されていません。一方で、住居確保給付金の申請が4~7月で約5万件、前年同時期の90倍となるなど、生活の窮状は極めて深刻です。

新型コロナ対策として策定した諸制度を必要とする人たち全てに行き渡らせ、感染終息まで持続することこそ、経済を立て直すうえで不可欠です。この立場から以下、緊急の事項にしぼって申し入れます。

1.解雇・雇い止めを未然に防ぐよう全力で取り組むこと。違法・脱法の退職勧奨、家族的責任等を無視した広域配転、労働者への人権侵害を厳しく取り締まること。派遣労働者の雇用の維持のため、派遣先企業での契約継続、派遣先が未定の登録型派遣については派遣会社との雇用契約とするなど、事業者を厳しく指導監督すること。また非正規雇用の労働者を含め、休業手当が確実に支給されるよう指導監督を強めること。

2.雇用調整助成金について助成率10分の10の対象を中堅企業等に拡大すること。また特例措置は縮小せず、来年1月以降も延長し継続すること。

3.休業支援給付金の4~6月分の申請期限を延長し、周知徹底・申請相談・事業所への指導啓発を強めること。シフト制の労働者、登録型派遣の労働者などについて「休業があったとみなす」など、申請・支給ができるように更なる措置を講ずること。観光・交通・イベント・飲食関係など自粛要請の影響が大きい分野などで対象となる事業所を拡大すること。

4.求職者支援制度について、新型コロナ特例として収入要件を撤廃し、①雇用保険の受給が終了している、②雇用保険加入が短期間のため給付を受けられない、という2つの要件のいずれかを満たしていれば、直ちに訓練給付金を支給する措置をとること。支給額を20万円程度に引き上げること。

5.失業給付の基本手当日額を増額し、給付日数を延長すること。

6.人手不足が深刻な医療・介護・保育・障害者福祉などのケア労働について、公費による大幅な処遇改善を行うこと。また公務労働などでの雇用創出を行うこと。

7.個人向け緊急小口資金と総合支援資金の特例期間、住居確保給付金の支給期間(最大9ヶ月)をさらに延長すること。これらの予算を大幅に積み増し、迅速な給付がなされるようにすること。

8.生活保護制度について、厚労省がリーフレットに明記したように「生活保護の申請は国民の権利」であることを自治体・福祉事務所にあらためて周知徹底し、適切な対応がなされるようにすること。申請者や受給者の増大に対応できるようケースワーカーなどの増員を早急に図ること。

9.国民健康保険の減免措置の対象に、雑所得で確定申告しているフリーランス等も含めること。財政支援を行う傷病手当金の対象を被用者だけでなく自営業者・フリーランス等にも拡大すること。減免措置および傷病手当金について、自治体に周知徹底すること。

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