参議院選挙の結果について
2019年7月22日 日本共産党中央委員会常任幹部会
日本共産党と、野党統一候補に寄せられた、有権者のみなさんのご支持に心から感謝いたします。ともに奮闘していただいたすべてのみなさんに熱い連帯と感謝のメッセージを送ります。
(1)
参議院選挙の全体の結果できわめて重要なのは、自民・公明・維新などの改憲勢力が、改憲発議に必要な3分の2を割ったことです。
安倍首相は、この結果を受けてもなお、総裁任期中に改憲を実現するとしていますが、参院選でくだされた「3分の2割れ」という審判は、「期限ありきの性急な改憲の動きは賛成できない」という民意を示したものにほかなりません。
わが党は、安倍首相に対して、この審判を真摯(しんし)に受け止め、改憲策動を中止することを求めるものです。
(2)
この結果をつくるうえで、市民と野党の共闘は決定的役割を果たしました。全国32の1人区のすべてで野党統一候補を実現し、10選挙区で大激戦を制して勝利しました。野党が、1人区で改選2議席から10議席へと躍進したことは、きわめて大きな成果です。とりわけ共闘の力で、安倍首相による改憲策動に痛打を与え、政治局面を変えたことの意義は大きいものがあります。
野党共闘は、この選挙を通じて大きく発展しました。市民連合と交わした13項目の共通政策は、共闘の政策的旗印を豊かなものとしました。多くの選挙区で心が通う共闘関係がきずかれるとともに、相互に支援しあう取り組みが発展しました。選挙を通じて、多くの新しい絆、新しい信頼関係が発展したことは、今後につながる大きな財産です。
日本共産党は、全国どこでも共闘の成功のために誠実に努力し、その発展に貢献することができました。
この成果を踏まえ、私たちは、総選挙にむけ、市民と野党の共闘をさらに大きく発展させ、安倍政権を倒し、新しい政治をつくるために力をつくす決意です。
(3)
日本共産党の結果は、選挙区選挙では、東京、京都で現職の議席を守り、埼玉で21年ぶりに新たな議席を得ることができました。大阪で現職の議席を失ったことは悔しい結果ですが、市民とともに逆流に正面から立ち向かった立派なたたかいであり、次の機会には必ず巻き返しをはかりたいと決意しています。選挙区選挙で、全体として、現有の3議席を確保することができたことは、重要な成果です。
比例代表選挙で、わが党が改選5議席から4議席に後退したことは残念です。同時に、私たちは、今回の参院選の比例代表で獲得した得票数・得票率を、この間の国政選挙の流れの中でとらえることが大切だと考えます。
わが党は、今度の参議院選挙で、2017年総選挙の比例代表で得た「440万票、7・90%」を出発点にし、「850万票、15%以上」の目標に向けてどれだけのばせるかのたたかいとして奮闘してきました。この基準にてらして、比例代表で、低投票率のもと448万票の得票、8・95%の得票率を獲得し、17年総選挙と比較してそれぞれを前進させたことは、次の総選挙で躍進をかちとるうえで、重要な足がかりとなるものと確信するものです。
わが党は、今度の参議院選挙を、市民と野党の共闘の勝利、日本共産党の躍進の二つの大目標を掲げてたたかいましたが、全体として、大健闘といえる結果をつくることができたと考えます。
(4)
この選挙では、年金、消費税、家計支援、憲法など、日本共産党が提起した問題が選挙の中心争点となり、安倍・自公政権を追い詰め、論戦をリードしました。
「マクロ経済スライド」を廃止し「減らない年金」をつくる提案、「暮らしに希望を――三つの提案」、「消費税に頼らない別の道」を示す財源案、差別と分断をなくしジェンダー平等社会をめざす提案など、わが党の先駆的な政策提起に大きな共感が寄せられました。とくに希望を語る党の訴えが、若い世代の思いと響き合ったことは、今後のたたかいを展望しても重要です。
私たちは、新しい国会で、一連の政策提起にもとづく論戦をさらに発展させ、公約の実現のためにあらゆる力をつくします。
(5)
今度の選挙戦では、全党のみなさんの大奮闘によって多くの成果をつくることができましたが、悔しい結果もありました。私たちは、党の自力を強めることの切実な意義を痛いほど感じています。これは、全党のみなさんの共通の思いでもあると思います。
成果を確信に、悔しさをバネに、“どんな情勢のもとでも前進できる力をもつ党”“共闘にとりくみながら、党躍進にとりくむという二重の責任を果たせる党”をつくるための仕事に、新たな意気込みでのぞもうではありませんか。
総選挙での勝利・躍進をめざして、党員を増やし、「しんぶん赤旗」読者を増やし、強く大きな党をつくる仕事にただちにとりかかることを心から呼びかけるものです。