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日本共産党

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赤旗


5、侵略戦争、植民地支配を肯定・美化する、歴史の改ざんと歴史への逆行を許さない

(2013年参院選政策──日本共産党の提言より抜粋)

2013年6月6日


侵略戦争の肯定・美化は、戦後の国際政治の土台を覆すもの 

 安倍政権が発足して以来、過去の侵略戦争と植民地支配を正当化し、美化する歴史逆行の勢力が、その本性をむき出しにし、大きな国際問題になっています。

 麻生太郎副総理ら4人の閣僚が靖国神社に参拝し、安倍首相が真榊(まさかき)を奉納しました。靖国神社は、日本軍国主義による侵略戦争を「自存自衛の正義のたたかい」「アジア解放のたたかい」と美化し、宣伝することを存在意義とする特殊な施設です。首相や閣僚の参拝や奉納は、侵略戦争を美化する立場に自ら身を置くことを、世界に向かって宣言することになります。

 さらに安倍首相は、「村山談話」の見直しに言及し、「侵略の定義は定まっていない」と述べ、国会で追及されても、「村山談話」の一番の核心の部分――「国策を誤り」「植民地支配と侵略」を行ったという部分を認めようとしません。

 米議会調査局リポートでは、安倍首相を「強力なナショナリスト」とし、「性奴隷や歴史教科書、靖国神社への参拝」などでの対応が、アジア諸国やアメリカから強い懸念をもって見られていると指摘しています。

 戦後の国際政治は、日独伊がおこなった戦争が不正不義の侵略戦争だったということを共通の土台にしています。この土台を覆す勢力は、国際政治に参加する資格を失い、国際的な孤立の道に転落していくことになります。

歴史を改ざんし、歴史に逆らうものに、厳しい審判を 

 日本維新の会の橋下徹共同代表の「慰安婦は必要だった」という発言に、内外から大きな批判が起きています。女性を戦争の道具とみなす暴言は、女性への冒とくであるとともに、人間への冒とくです。国内外の大きな批判に対して、橋下氏は「日本人の読解力の不足」などと責任を国民に転嫁しています。もはや橋下氏に公人たる資格はありません。暴言を撤回、謝罪し、大阪市長を辞任することを求めます。

 石原慎太郎共同代表も、「戦争に売春はつきもの」と橋下発言を擁護し、維新の会は、党として、橋下発言の撤回を求めないことを決めました。このような態度である限り、維新の会は国政であれ、地方政治であれ、日本の政治に参加する資格はない、と言わざるを得ません。

 国連拷問禁止委員会は、日本軍「慰安婦」問題で「日本の政治家や地方の高官が事実を否定し、被害者を傷つけている」とし、日本政府に対して、こうした発言に明確に反論することを求めました。ところが、安倍首相は、橋下発言について「立場が異なる」というだけで、批判も否定もしようとしません。これは、首相の政治姿勢が、侵略戦争の美化という点で、橋下氏や石原氏と同根であることを示すものであり、その立場がきびしく問われています。

侵略戦争と植民地支配の歴史を直視し、日本軍「慰安婦」問題などの解決をすすめる 

 日本がアジアと世界から信頼され、国際社会で名誉ある地位を占める国になるためには、過去の侵略戦争と植民地支配の誤りをきっぱりと認め、その負の遺産を清算する立場にたつことが不可欠です。

 ――首相、閣僚の靖国神社参拝をはじめ、日本政府の責任ある立場の政治家が、侵略戦争を肯定・美化するような行動、言動をとらないことを求めます。

 ――日本軍「慰安婦」問題では、日本政府として公式に謝罪し、個人補償を行うことが不可欠です。韓国政府は、「慰安婦」被害者の賠償問題について、日韓請求権協定にもとづく政府間協議を繰り返し日本政府に求めています。政府は「解決ずみ」などとして協議を拒否する態度をあらため、「この協定の解釈及び実施に関する両締約国の紛争は、まず、外交上の経路を通じて解決するものとする」(同協定3条1項)にもとづき、韓国政府との協議に、早急かつ誠実に対応することが求められています。

 ――日本の侵略戦争と植民地支配の歴史を子どもたちに正しく伝え、アジアと世界の国ぐにと平和・友好の交流を積極的におしすすめることが必要です。公教育に侵略戦争の美化・肯定を持ち込むことは許されません。政府や自民党などの教科書検定や教科書出版社への不当な介入、圧力をやめさせるために、日本共産党は、良識ある国民のみなさんとともに力を尽くします。

 ――領土問題を事実と国際的道理に立って解決をはかるためには、尖閣諸島問題にしても、竹島問題にしても、千島問題にしても、侵略戦争によって不当に占有した土地と、そうでない領土とを明確に区別することが必要です。そうしてこそ、国際的にも道理のある主張となり、問題の理性的な解決の道が開けます。

「国民が主人公」の新しい日本に向けて、日本共産党を大きく躍進させてください

平和、民主主義、暮らしを壊す逆流に、勇気をもって立ち向かう政党です

 安倍自公政権が、あらゆる分野で危険な暴走を始めているときに、日本共産党以外の主要政党は、まともに対決するどころか、「自民へ、安倍へ」と草木がなびくように追従し、国民の暮らしと日本の未来を守る立場を投げ捨てています。

 民主党は、自民党・公明党との「3党合意」にしがみつき、消費税や社会保障など肝心の問題で自民党と同じ立場をとり続けています。原発も、TPPも、基地問題も、民主党政権時代に手をつけたため、批判できずに右往左往しています。

 みんなの党は、憲法改悪と規制緩和万能論の立場から、安倍政権にいっそうの悪政をけしかけています。維新の会は、「既成政党の打破」どころか、憲法改悪、TPP、基地問題などの問題で、自民党の補完勢力としての姿をさらけだしました。それだけでなく、「慰安婦が必要」(橋下共同代表)、「侵略ではない」(石原共同代表)などの暴言を党としても追認するなど、政党としての存立そのものが問われています。

 安倍政権の相次ぐ暴走に真正面から対決し、国会の中でうごめく「増税連合」「改憲連合」に対して、国民とともにたたかっているのは日本共産党だけです。国民のたたかいのよりどころとして、日本共産党を大きく伸ばしてください。

どの分野でも改革の展望を示している綱領をもつ政党です

 日本共産党は、あらゆる分野で、現実的な改革を提案し、実現のために行動しています。それができるのは、日本共産党が日本の未来をきり開く綱領をもっているからです。

 日本共産党は、まず資本主義の枠内で、「財界中心」「アメリカいいなり」という異常をただし、「国民が主人公」の新しい日本をつくる、日本の民主的改革を実行することを目標にしています。そのうえで、国民多数の合意で資本主義をのりこえた未来社会にすすむことを展望しています。私たちのめざす未来社会とは、「人間の自由、人間の解放」を最大の特徴とし、資本主義の価値ある成果のすべてを受け継ぎ、発展させるものです。「社会主義」の名での自由の圧殺、人間抑圧を絶対に許さないというのが、日本共産党の確固とした立場です。

 日本共産党は、今年7月、党をつくって91年になります。過去の侵略戦争に命がけで反対したただ一つの政党であり、戦後も旧ソ連や中国の乱暴な干渉をはね返すなど、不屈の歴史を貫いてきました。日本共産党という党名は、綱領で展望している未来社会への理想とともに、91年の不屈の歴史と結びついたものです。

国民と共に力を合わせて政治を変える政党です

 日本共産党は、社会発展のすべての段階を国民多数の合意を得てすすむ――「多数者革命」の立場を一貫して堅持しています。私たちは、政党の組み合わせから出発するのではなく、諸課題での一致点にもとづく幅広い共同を何よりも大切にしています。

 国民の共同を広げていくうえでも、政党間の共同の可能性と条件を広げていくうえでも、日本共産党が国政において比重と影響力を強めることが決定的に重要です。日本共産党の躍進で、日本を変える新しい統一戦線をつくる第一歩を踏み出しましょう。

亡国の政治か、日本の未来に責任を負う政治かが、問われています 

 いま日本の大企業の多くが多国籍企業化し、自らの利潤追求を至上の課題とし、日本経済に対する責任を放棄しています。安倍政権は、こうした大企業・財界に唯々諾々(いいだくだく)としたがって、国民には冷たい財界中心の政治を続けています。

 TPP問題にせよ、米軍基地問題にせよ、日本をアメリカに売り渡そうとしているにもかかわらず、安倍政権は痛痒(つうよう)すら感じることなく、アメリカいいなりに終始しています。経済でも、外交でも、日本の未来に責任をもてなくなっている――これが今の自民党政治の姿です。

 憲法問題でも、「立憲主義とは何か」という根本についての真剣な検討はかけらもなく、「憲法9条よりもハードルが低そうだから」というあまりにも浅はかな動機で憲法96条の改定を持ち出しました。

 さらに、過去の侵略戦争を美化するという、もっともすすんではならない道に突きすすもうとしています。

 今回の参院選では、こんな亡国の政治を続けるのか、それとも日本の未来に責任を負う政治に転換するのかという、政治の根本が問われています。

日本共産党の躍進で、「国民が主人公」の新しい日本へ

 日本共産党は、どんな問題でも、国民の立場に立って、責任ある立場を堂々と語り、その立場で政治を動かしています。すべての政党、団体、個人と一致点での共同を広げ、たたかいを発展させるために力をつくしています。

 日本共産党の躍進は、「財界中心」「アメリカいいなり」「歴史逆行」という三つのゆがみをただす決定的な力となり、「国民が主人公」の新しい日本に向けた大きな一歩となるでしょう。

 国民のみなさん。日本共産党へのご支持、ご支援を心からお願いします。


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