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日本共産党

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赤旗

2012年総選挙政策・各分野政策

36、安保・基地・自衛隊

米軍基地の異常をただし、海外派兵と大軍拡をやめさせます

2012年11月


オスプレイ配備の撤回を要求し、無法な低空飛行訓練をやめさせます

 10万人以上が結集した沖縄県民大会など、沖縄県民は島ぐるみの揺るがぬ意思として、オスプレイ配備計画の撤回、米軍普天間基地の閉鎖・撤去を宣言しています。にもかかわらず、日米両政府は、10月1日、オスプレイの普天間基地配備を強行しました。この蛮行・暴挙にたいして県民の怒りが沸騰しています。

しかも、オスプレイ配備にかかわって、日米両政府が、「飛行は人口密集地を避けること」などの「安全対策」なるものに合意したにもかかわらず、その日米合意さえ無視されています。沖縄では、人口密集地・住宅地での飛行が常態化しています。このような米軍の横暴勝手を許すことはできません。

ことは沖縄だけの問題ではありません。7つの低空飛行訓練ルートなど、日本全土でオスオプレイの低空飛行訓練が計画され、その訓練拠点として、岩国、キャンプ富士、厚木、横田、三沢など全国の米軍基地を使用しようとしています。首都圏の人口密集地でも訓練しようとしていることを許すわけにはいきません。

オスプレイの配備は、「日本の防衛」とは何の関係もありません。海兵隊の海外遠征による「殴り込み」任務を遂行するため、迅速に「敵地」に侵入して戦闘作戦を実施する「侵略力」を高めることがその目的です。低空飛行訓練を非常に重視しているのも、そのためです。海兵隊の「侵略力」を高めるために、沖縄県民と日本国民を危険にさらす、こんな暴挙を絶対に許すわけにはいきません。

――日本共産党は、普天間基地へのオスプレイ配備の撤回、全国での無法な低空飛行訓練の中止を求めます。

――普天間基地の即時閉鎖・無条件撤去を強く求め、新基地建設に反対します。

米軍の横暴勝手をやめさせ、基地のない平和な日本をめざしてたたかいます

戦後67年たった今なお、沖縄をはじめ日本全土に132もの米軍基地(米軍専用83、自衛隊との共同使用49)がおかれ、アメリカの世界戦略の前線基地として強化されつづけています。日本の総面積の0.6%にすぎない沖縄県に米軍専用基地の74%が集中し、沖縄本島の面積の18%、県全体の10%を占めています。横須賀基地や横田基地のように、首都圏に広大な基地が置かれているのも、日本以外にありません。

 日本に駐留する米軍の部隊は、海兵遠征軍、空母打撃群、遠征打撃群、航空宇宙遠征軍など、「日本を守る」ための軍隊ではありません。その名の通り、世界のどこで紛争がおこっても、真っ先に殴り込むことを任務とした部隊にほかなりません。

 米軍は08年、通常型空母の2倍の戦闘能力をもつ原子力空母の横須賀配備を強行しました。しかも、米海軍は09年以降、4年連続で、横須賀に停泊中の原子力空母から、原子炉等の定期修理に伴う放射性廃棄物を搬出し、最終処理するために、米ワシントン州の海軍造船所に運びました。原子炉の修理や放射能物資の搬出はしないと明記している日米合意(1964年8月のエードメモワール=覚書)に明白に違反するものです。

 また、無法な空母艦載機などによるNLP(夜間離着陸訓練)や超低空飛行をはじめ、米軍機の騒音被害、航空機・艦船による油漏れなどの環境汚染が各地で住民のくらしと健康を脅かしています。こうした現実は、とても独立国とはいえない異常きわまるものです。

 米軍の勝手放題の活動を支え、米軍が日本に居座る根拠にもなっている「思いやり予算」(沖縄の基地たらい回しの「SACO経費」や「米軍再編経費」を含む)は、中小企業予算の1·5倍にまで膨張し、失業対策費を上回ります。78年以来の35年間の総額は、約7兆円になります。

 最近も沖縄の米兵による事件が相次ぎ、大きな問題になっているように、米軍基地は、日本国民の生命とくらしにも重大な被害と苦痛を与え続けています。戦闘機・ヘリの墜落や米兵による殺人、強盗・強姦・放火・ひき逃げなど、米軍の事件・事故は、日本の主権を踏みにじる大問題です。

 米軍による事件・事故(米兵犯罪を除く)は、毎年1200~2000件も発生しており、政府があきらかにしているだけでも1952年以来、2011年末までに20万8543件(施政権返還以前の沖縄の分は含まれていない)におよび、被害にあった日本人死亡者は1089人にたっしています。また、米軍人の犯罪検挙数は、1989(平成1)年から2011(平成23)年までに2100件を超えています。とくに沖縄では、この間の米軍関係者検挙数は1751(うち凶悪犯96)件にたっしています。米軍人・軍属による女性暴行事件は48件あり、表面化しないケースも相当数あります。横須賀(神奈川県)では、殺人・殺人未遂事件が多発しています。

 ところが、「公務外」の米兵犯罪について、日本が裁判権を放棄する密約まで結ばれています。このことは米政府解禁文書や外務省文書で裏付けられています。実際に、日本人に比べて米軍人の起訴率はきわめて低く、検察が米軍人らを特別扱いしている実態も明らかになっています。米兵犯罪や米軍の交通事故による犠牲者は泣き寝入りさせられ、国の主権はいちじるしく侵害されつづけています。

米軍の事件・事故の温床になっている日米地位協定問題でも、日本政府は、国民の強い改定要求に背を向けています。

――日本共産党は、裁判権放棄の日米密約をただちに廃棄させます。

――日米地位協定を抜本改定し、世界に例のない米軍優遇の特権をなくすために全力をあげます。

――安保条約上も何の義務もない米軍「思いやり予算」をただちにやめさせるよう強く要求します。

――「米軍再編」の名による基地強化・永久化に反対します。

――在日米軍基地の全面撤去、基地のない平和な日本をめざして国民とともにたたかいます。

地球規模の日米軍事同盟強化に反対し、「海外派兵国家」づくりをやめさせます

 民主党政権は、「海賊対策」の名によるアフリカ東部のソマリア沖・アデン湾、ジブチへの自衛隊派兵を継続し、2011年にジブチに駐機場や格納庫などの基地まで建設しました。P3C哨戒機や陸上自衛隊の中央即応連隊など、陸海空三自衛隊の海外での統合運用を推進し、アフリカにまで軍事拠点を建設して軍事活動を拡大させていることは重大です。自衛隊の海外派兵恒久法もたくらまれています。

ヘリ空母などの海外派兵型兵器の導入や「ミサイル防衛」などの軍拡計画は、アメリカの世界戦略、軍事介入態勢に日本をいっそう深く組み込み、強化するもので、世界とアジアの平和と安定を脅かすものにほかなりません。

 民主党政権は2011年、戦闘機などの国際共同開発・生産への参加を解禁するなど、自民党政権もできなかった「武器輸出三原則」の改悪を強行しました。アメリカや財界の意向に従って、憲法の平和原則とその精神を蹂躙した暴挙です。アメリカに追従して、軍拡をすすめ、「海外派兵国家」の道を歩みつづければ、日本がアメリカといっしょになって世界の平和に挑戦することになり、世界とアジアから孤立するばかりです。

 5月の野田首相とオバマ大統領の日米首脳会談の「共同声明」は、日米軍事同盟を地球規模に拡大することをあからさまに公言し、日米の「動的防衛協力」なるものを初めてうたいました。これは、米軍と自衛隊が地球的規模で、海外に打って出て、共同の軍事行動を行うというものです。とりわけ、グアムとテニアンに、日米が共同使用する「訓練場」を建設し、共同訓練を行い、「多様な緊急事態に日米同盟が対応する能力をさらに高める」と明記していることは重大です。「集団的自衛権」の行使にむけた重大な一歩を踏み出すものであり、日米軍事同盟の新しい段階に踏み込み、侵略的変質をはかるものです。

さらに日米両政府は、ガイドライン(日米軍事協力の指針)の再改定をめざして協議に入ることで合意し、年内にも協議を開始しようとしています。これらは、集団的自衛権を現実に行使する――「米国と共同して海外で戦争をする国づくり」に向けた重大な歩みをすすめるものであり、絶対に許すわけにはゆきません。

――日本共産党は、自衛隊のソマリア沖・アデン湾、ジブチからの速やかな撤兵を求め、自衛隊の海外派兵恒久法に強く反対します。

 ――海外派兵型装備をはじめ、抜本的な軍縮を実現するために全力をあげます。

――集団的自衛権行使へむけて従来の政府の憲法解釈を変えることに反対します。

――日本を「海外で戦争する国」にすることにつながる一切の動きに反対します。

 日本共産党は、自衛隊の情報保全隊が、平和・民主主義・活向上を求める国民の世論や動向、個人の言動を日常的・系統的に調査・監視していることを明らかにしました。戦前の「憲兵政治」をほうふつとさせるこうした活動は、重大なプライバシーの侵害であり、集会・結社の自由や表現の自由、思想・良心の自由を侵害する許しがたい憲法違反の行為です。

 ――日本共産党は、防衛省・自衛隊による憲法違反の情報収集や国民監視活動の全容を明らかにし、ただちに中止することを求めます。

日米安保条約=日米軍事同盟をなくし、対等・平等・友好の日米関係を築きます

 米国政府は、オスプレイ配備について「日米安保条約上の権利だ」(パネッタ国防長官)と公言し、日本政府は「日本政府に条約上のマンデート(権限)はない」などといっています。野田首相は「配備は米政府の方針で、どうしろ、こうしろという話ではない」などとのべています。日米両政府が、日米安保を盾にこの暴挙を押しつけようとすればするほど、日米安保の是非が正面から問われることになります。

 オスプレイ配備だけではありません。相次ぐ米軍犯罪など、米軍基地と沖縄県民はじめ日本国民との矛盾点はすでに限界点を超えました。憲法違反の集団的自衛権の行使による「海外で戦争する国づくり」など、地球的規模の「日米同盟」の危険な侵略的変質は、日米安保条約と日本国憲法がいよいよ両立しなくなったことを浮き彫りにしています。

 今年は、日米安保条約発効60年にあたります。「こんなアメリカいいなりでいいのか」「日米安保条約をこのまま続けていいのか」という声が噴出しています。

 日本共産党は、安保条約の是非を正面から議論することを呼びかけます。

●安保条約第10条に即した、廃棄の通告で、安保条約をなくします……日米安保条約は、一方の国が通告すれば、一年後には解消されます。安保条約をなくせば、米軍基地の重圧から日本国民が一挙に解放されます。在日米軍のために充てていた年間7000億円もの駐留経費と総評価額14兆円ともいわれる土地を、国民の暮らしのために使うことができます。

●東アジアで軍縮のイニシアチブを発揮します……いま、東アジアでは米軍の再配置、軍事力の強化がすすんでいます。一方で、中国も軍事力を増大させています。この地域での軍事的緊張の最大の根源となっている日米安保条約を解消してこそ、日本は中国や東アジアの国々にたいして、「ともに軍縮の道に転じよう」と、軍縮へのイニシアチブを本格的に果たすことができるようになります。

●経済面でも主権を確立します……TPP参加問題にみられるように経済面でも「アメリカいいなり」になっている根底には、日米安保条約第2条の「締約国は、その国際経済政策におけるくい違いを除くことに努める」という規定づけがあります。このもとで、アメリカ型のルールが日本に押しつけられてきました。安保条約をなくせば、日本経済をゆがめ国民を苦しめてきた、経済面での“アメリカいいなり”を根本から断ち切ることができます。

●対等・平等の立場に立って日米友好条約を締結します……アメリカとは、日米安保条約=日米軍事同盟に代えて、対等・平等の立場にたって日米友好条約を結ぶというのが、私たちの提案です。

 

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