「性同一性障害」、子もちは性別変更ダメ
大阪高裁裁判長「議論が望まれる」
2004年4月16日
報道によると性同一性障害(GID)と診断され戸籍上の性別を男性から女性に変更するよう申し立てた奈良県生駒市、森村さやかさんの即時抗告について、大阪高裁(田中壮太裁判長)は11日までに棄却する決定を出しました。 私も国会でとりくみ、超党派で成立させた「GID特例法」は「子どもがいないこと」を変更条件にしていますが、森村さんには離婚した女性との間に子どもが1人います。田中裁判長は決定書の中で、この要件について「立法過程で最も議論になったことを思えば、維持すべきか、廃止すべきかなど具体的な議論が望まれる」と言及しました。 2004年7月に施行された特例法には付則で施行3年後の見直し規定があり、参議院選挙後の国会で「見直し」議論が始まる予定です。私は最初から「非婚・子どもがいないなどの条件は必要ない」との立場でこの法律にとりくんできましたが、今回の裁判の結論は今後の議論に影響を与えそうです。 GIDの当事者団体は「子どもがいない」という要件について、憲法が定める法の下の平等などに違反しているとして削除を求めています。森村さんは「高裁が要件見直しに言及したことは一定の成果。国会に法改正を働きかけたい」と語っています。