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日本共産党

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赤旗

 総選挙にのぞむ日本共産党の各分野の政策より抜粋

若い世代に仕事と勉学、社会参加を保障する社会のルールを

2003年10月17日


 日本の将来をになう若者が安定した仕事にもつけず、自分の生活もままならない――雇用や労働条件の悪化、教育や家族の変化のなかで、日本の若者は、「このままでは若者の大半が社会的弱者に転落するのではないか」と指摘されるほどの、深刻な状況におかれています。

 この状態を打開して、「仕事につきたい」「思いきり勉強したい」「自分の力を社会にいかしたい」という若者のエネルギーが発揮できる社会をつくることは、若者にとっても、日本社会にとっても切実で緊急な課題です。若者の仕事と勉学、社会参加を保障する社会のルールを確立するために全力をあげます。

(1)若い世代に仕事を保障する

 青年の雇用問題は、いま日本社会の将来を左右する大問題となっています。

 完全失業者の半分が34歳以下の若者です。「フリーター」とよばれる、アルバイトや派遣社員、契約社員などの不安定な就労と失業を繰り返す若者は年々増加し、417万人にものぼります。今年3月の大学卒業者の就職率は55%、2人に1人が就職できない状態です。大卒の就職率が7割を切ったのは戦後はじめてのことです。高校卒業者の就職率も90年の34・4%から16・6%と半減し、過去最低です。

 大企業の乱暴なリストラが、若者の就職難と「フリーター」急増の大きな原因です。これまで、この問題は「青年の意識の問題」としてきた政府も、「企業側の要因が大きい」と認めざるをえなくなりました(03年版「国民生活白書」)。しかし政府は、青年の雇用をふやすために大企業を指導するなど、具体的な手立てをまったくうっていません。

 日本共産党は、青年の雇用を守り増やすために、次の4つの点を重視し、実現のために青年とともに奮闘します。

政府と大企業の責任で雇用をふやす……政府に、大企業に新規採用抑制の中止、若者の正社員雇用など若者の雇用責任をはたすことを強くはたらきかけさせます。労働時間を短縮し、「サービス残業」をなくせば、青年の雇用をふやすことができます。また、人手不足が深刻な医療、福祉、防災、教育などの分野で公的な雇用を増やす手立てをとります。

「フリーター」の職業訓練への援助……仕事をもとめる若者に対して職業訓練の場をひろげるとともに、低賃金で貯えも少ない「フリーター」の、訓練期間中の生活を保障します。雇用保険には、訓練期間中の特別給付がありますが、「フリーター」の多くは雇用保険に未加入です。こうした若者が職業訓練を受けられるように、有給の職業訓練制度や訓練貸付制度を創設・整備します。失業者や低所得の「フリーター」には、奨学金返済の繰り延べや減免制度をつくります。

 不安定雇用の青年を正社員に採用するしくみづくりと労働条件改善……派遣やパート・アルバイトで働いていて、その会社に正社員としての就職を望む若者の採用をひろげる必要があります。労働者派遣事業法は、派遣労働者が一年間同じ事業所で働いている場合に常用雇用にする「努力義務」規定をおいていますが、これを「義務規定」に格上げします。パートなどにも、同様の仕組みをひろげます。また、「フリーター」のおかれた劣悪な労働条件の改善をはかります。

 就職活動のルールづくり……企業の都合で年々早められる就職活動のために、大学で十分な学問を身につけられないことは、本人にとっても、社会や企業にとっても大きな損失です。会社訪問の解禁日など、学業と両立できる就職活動のルールをきちんとつくります。

(2)重すぎる学費の負担を軽減し、奨学金制度の拡充をすすめる

 国立大学の学費(初年度納付金)は80万2800円、私立大学は129万円にのぼり、1975年と比べると国立大学が9・3倍、私立大学が3・5倍にもなっています。学生はバイトにおわれ、親は借金をし、なかには進学断念に追いこまれる学生もうまれるなど、深刻な実態がひろがっています。高校でも、不況の影響で、学費がはらえず高校を中退する生徒がふえています。

 重すぎる学費負担は、若者の将来の夢をうばうだけでなく、国民の家計をゆがめたり、若者の経済的社会的な自立をさまたげるなど、二重三重の悪影響を社会にあたえています。この異常な状態を打開することは、若者にとっても社会全体にとっても、切実な課題です。

 そもそも、教育を受ける権利は、憲法の保障する基本的人権です。国際人権規約では「高等教育の漸次的無償化」がうたわれ、ヨーロッパの多くの国は学費は無料です。欧米で高校の授業料をとっている国はありません。

 そのうえ日本の奨学金制度は、質、量ともに先進国で最低レベルです。欧米では、返済が不要な給付奨学金が制度の中心にすわっていますが、日本ではすべてが返済が必要な貸与制です。

 日本だけがこんなことになっている最大の原因は、大学予算(公財政支出)の水準が、欧米の半分以下とあまりに低いことにあります。日本共産党は、予算を欧米並みの水準にすることで、重すぎる学費負担を解消します。

 当面、つぎの政策を実施します。(1)17年連続で値上げされてきた国立大学費を値下げの方向に転換します。(2)私学助成の増額、授業料直接補助制度の創設などで私立大学、私立高校でも国民の学費負担をへらします。(3)国公私立にわたる学費免除の枠を拡大することを、国の責任ですすめます。(4)奨学金の返済免除制度の改悪をやめさせ、希望者全員に無利子奨学金を支給するなど、奨学金制度を拡充させます。さらに、給付制の奨学金の導入をはじめます。

(3)18歳選挙権の実現、若者の社会参加の拡大

 18歳選挙権の実現は、青年の権利と自立、日本社会の現実からいっても急がれています。高校を卒業して仕事につけば経済的にも自立可能であり、収入があれば納税もします。労働法でも、18歳から20歳未満の青年は、事実上の成人として、さまざまな社会的な義務を負わされ、結婚や普通免許の取得など、成人としての扱いがされています。義務や社会生活の面では成人として扱う以上、政治上の権利を保障するのが当然です。

 18歳選挙権は世界の流れです。この流れは、150カ国以上におよび、サミット諸国で18歳選挙権を実施していないのは日本だけです。日本共産党は、創立した時から一貫して18歳選挙権を要求してきた党です。18歳選挙権の実現のために全力をつくします。

 さらに、若者が青年関連の行政や制度づくりに参加できるシステムをつくるなど、若者としての社会参加の制度をひろげます。

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