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2026年衆議院選挙各分野政策

85、武器輸出

「死の商人国家」への変質を許さない

2026年1月

 

高市政権と自民・維新は殺傷武器の無制限の輸出の道を突き進んでいます。今年中としている「安保3文書」の改定を待たず、この4月にも国家安全保障会議(NSC)の9大臣会合で決定する構えとされます。自民と維新は昨年12月15日に実務者協議の初会合を開き、武器輸出の目的を「救難・輸送・警戒・監視・掃海」に限定するための「5類型」を撤廃する方針で一致し、2月に与党の提言をまとめることも確認しました。
自民党政治はこの間、日英伊で共同開発・生産する次期戦闘機の日本から第三国への輸出を可能にする閣議決定を強行し、オーストラリアに新型「護衛艦」を「共同開発」の形で輸出することでも合意するなど、「死の商人国家」へと大きく足を踏み出してきました。それに続けて武器輸出の〝最後の歯止め〟ともいえる「5類型」の撤廃です。そんなことをすれば、殺傷武器の輸出の全面解禁となり、「国際紛争を助長する国」「死の商人国家」へ完全変質することになってしまいます。輸出先として、平和のための外交に全力で取り組む東南アジア諸国をターゲットにすれば、その努力に水を差し、地域の軍事的緊張を高めてしまうことは必至です。

この間、武器輸出推進勢力は、「安全保障と経済成長の好循環」を合言葉にしています。小泉防衛相自ら、「しっかりとトップとして、各国へのトップセールスを強化していきたい」などと、各国の要人らに対し武器輸出の「トップセールス」を繰り返しています。ここまで政府と軍需産業が一体化した状況があったでしょうか。これは、〝武器を売って儲かるのであれば、国際紛争を助長してもかまわない〟と言っているに等しく、まさに「死の商人国家」への堕落以外の何物でもありません。

――「5類型」撤廃による殺傷武器輸出の全面解禁を許しません

そもそも、武器輸出は禁止というのが日本の国是でした。
1976年に当時の三木政権が表明した「武器輸出三原則」は、「国際紛争を助長しない」という「平和国家」としての理念にもとづき事実上武器輸出を全面禁止し、81年には衆参両院本会議が同三原則の厳格な運用を求める決議を全会一致で可決しました。自民党政府のもとでも、これが日本の基本方針でした。76年には当時の宮沢喜一外相が、「たとえ何がしかの外貨の黒字がかせげるといたしましても、わが国は兵器の輸出をして金をかせぐほど落ちぶれてはいない」と国会答弁していたのです。
外務省が2005年に発表した「平和国家としての60年の歩み(ファクト・シート)」も、平和国家の実績の一つとして、「武器の供給源とならず、武器の売買で利益を得ない(『武器輸出三原則』)」を挙げていました。

ところが2014年4月、当時の安倍政権は「武器輸出三原則」を撤廃し、武器や関連技術の輸出を包括的に解禁する「防衛装備移転三原則」へと転換させる閣議決定を強行しました。それでも、殺傷武器の輸出については「5類型」にもとづき基本的に認めず、「国際共同開発・生産」の場合に制限していました。

それをさらに大転換させ、日本を「国際紛争助長国家」「死の商人国家」へと変質させたのが岸田政権でした。2022年末に閣議決定した「安保3文書」が「防衛装備移転の推進」を掲げたことを受け、同政権はまず23年12月に、外国企業からライセンスを得て日本が生産した殺傷武器をライセンス元国へ輸出できるようにする閣議決定を行いました。
さらに24年3月には、日英伊が共同開発・生産する次期戦闘機の日本から第三国への輸出を可能にする閣議決定を強行したのです。24年6月には3カ国による共同開発を管理するための政府間機関(GIGO)を設立させる条約を承認、同年12月に発効しました。

「死の商人国家」への変質を見せつけたのが、昨年5月に幕張メッセ(千葉市)で開催された国際的な武器見本市「DSEI Japan 2025」で、防衛省は前回(23年)の2倍の規模のブースを設けました。
防衛省発表によれば、防衛装備庁ブースでは、12式地対艦誘導弾能力向上型(模型)と、島嶼防衛用高速滑空弾(動画)の展示を行いました。これらはいわゆる「敵基地攻撃」のために開発・生産されている長射程ミサイルです。発表文には出展目的として、「諸外国との防衛装備・技術協力を推進する」としており、これらミサイルの国内配備に加えて外国への輸出も目指しているとしか考えられません。事態はここまで来ているのです。
石破首相(当時)歴代首相として初めてこの見本市を訪問し講演まで行い、「戦争というものがどれほど軍事技術を進歩させるか」「各国との装備協力を積極的に推進する」「先進的で能力の高い装備品を生み出す防衛産業は防衛力そのものだ」などと表明しました。

さらに見本市では、日英伊で共同開発し2035年配備を目指す次期戦闘機の専用ブースを設け、模型や動画を用いてアピールしました。三菱重工業のブースには次期戦闘機と連携して飛行する無人機のコンセプトモデルも置かれました。

日本にとってF2戦闘機の後継となる次期戦闘機は、防衛省資料によれば「いずれの国においても実現されていない新たな戦い方」に対応する最新鋭機であり、殺傷武器の最たるものです。英伊にとってはユーロファイターの後継ですが、英伊独西が共同開発・生産した同機はサウジアラビアに第三国輸出され、それがイエメン内戦(2015年~)への軍事介入に投入された結果、多数の民間人が犠牲になったことは厳然たる事実です。次期戦闘機が第三国に輸出された場合、さらに破滅的な攻撃に使用される危険性があることは明白です。
報道によれば、このサウジがGIGOへの参画を要求し、日英伊は、「パートナー国」として参画することを容認する方向で調整に入ったとされます(「朝日」昨年5月3日付電子版)。サウジについて「東京」昨年1月9日付社説は、「開発経費の負担軽減を目的にサウジの参画が認められ、殺傷能力を持つ武器が紛争当事国に輸出されれば、国際紛争を助長し、戦後日本が築いた平和国家という国際的信頼を著しく損なう」と指摘しました。

政府・与党は24年3月の閣議決定について、「3つの歯止め」――輸出するのは次期戦闘機に限る、輸出先は日本と「防衛装備品・技術移転協定」を締約している国に限る、「現に戦闘が行われている国」は除外する――を設けたとしていますがまったく歯止めになりません。
輸出は次期戦闘機に限るといいますが、これだけの殺傷能力を持つ武器の輸出を可能にしておいて、その他は輸出できないという理屈は成り立たず、今後、際限なく殺傷武器輸出が拡大していくことは必至です。また、いま日本と「防衛装備品・技術移転協定」を結んでいる国は15カ国ですが、これは国会の関与なく政府の一存で決められるので、締約国もいくらでも増やすことができます。さらに、現在は戦闘していない国であっても、日本が戦闘機を輸出した後に開始する事態は十分ありえます。実際、サウジアラビアがイエメン内戦に介入したのは、ユーロファイター輸入後のことでした。このように、日本が開発・生産に加わる次期戦闘機が無辜の市民の命を奪うとともに、戦闘機をはじめとする殺傷武器の輸出競争を激化させて逆に地域の安定を脅かす可能性はまったく排除されていません。

政府が第三国への輸出について「市場が大きくなり効率化する」としていることも重大です。これは、販路拡大でコストを安くし、多売により儲けを増やすということにほかなりません。次期戦闘機は日本側では三菱重工が開発・生産の中心をになうことになりますが、同社は自民党への大口献金企業であり、その会長はさらなる大軍拡のために防衛省が設置した「有識者会議」のメンバーでもあります。こんなことが許されていいはずがありません。

――殺傷武器輸出の閣議決定を撤回させ、「武器輸出三原則」に戻します

前述の武器見本市「DSEI Japan 2025」では、パレスチナ自治区ガザでジェノサイドを行っているイスラエルの軍需企業がなんと約20社も参加しました。
防衛省は2025年度予算に小型攻撃用ドローンの取得経費として32億円を計上しました。こすでに、イスラエル製4機のほか、オーストラリア製2機、スペイン製1機の計7機種の実証実験を実施し、今後、一般競争入札を経て選定する予定です。
「DSEI Japan 2025」では、イスラエル企業エルビット・システムズのブースで同社製造の「SkyStriker」(スカイストライカー)の模型が展示されました。このドローンはガザ攻撃にも投入され、子どもを含む民間人を殺害したと報じられました。エルビット・システムズはホームページでこのスカイストライカーについて、「戦闘で実証された精密な攻撃能力」などと宣伝しています。
政府・防衛省がこのようなイスラエルの企業からドローンを取得するなど言語道断です。そんなことをすれば、無法な虐殺への加担だといわれても反論できません。日本政府はイスラエルとの軍事協力を即時やめ、同国への制裁の具体的措置をとるべきです。

――イスラエルからのドローン取得計画をきっぱり中止し、同国に制裁措置を行います