2026年衆議院選挙各分野政策
6、医療
医療の危機を打開し、高すぎる窓口負担、国保料(税)の負担を軽減して、安全・安心の治療を受けられる制度にします
2026年1月
「このままでは、ある日突然、病院がなくなります」――2025年、日本病院会など病院6団体の訴えが各界に衝撃を与えました。国が決める診療報酬が、物価高も賃金上昇もまともに反映せずに低く抑えられているために、急激に病院の経営悪化が進み、診療科の休止、入院患者受け入れの制限、救急医療の廃止などの事態が全国に広がりました。医療従事者の大量離職も起こり、日本の医療は崩壊の瀬戸際に陥っています。
医療・介護関係者や関連団体、労働組合や市民団体による危機打開の運動が起こるなか、政府は2026年度予算案で、診療報酬本体の3.09%のプラス改定を行う方針を打ち出しました。党派や立場を超えた広範な関係者の運動と、国民世論の成果です。
医療現場からは、30年ぶりの診療報酬本体の大幅増への評価とともに、「危機的状況を脱したわけではない」という声も出ています。報酬引き上げを患者負担や保険料負担の増大に連動させないための、国費投入・国庫負担増も行いながら、医療の危機の根本的打開に向けた診療報酬のさらなる増額・改善を行うことが必要です。
医療の危機によって、自民党政権の社会保障費削減路線の破綻が露呈したにもかかわらず、高市内閣は旧来の路線にしがみつき、「医療費4兆円削減」をかかげる日本維新の会との合意にもとづいて、OTC類似薬の薬剤費負担の引き上げをはじめ、患者負担増や病床削減の改悪を強行しようとしています。こんな無反省と非道は、絶対に許せません。
日本共産党は、自民・維新政権に公明党、国民民主党、参政党などが“翼賛”して推進している医療切り捨て政治にストップをかけ、窓口負担の軽減、国保料(税)の引き下げ、壊されてきた医療基盤の再生・強化のための改革を進めます。
医療の危機打開のため、国庫負担の拡大とあわせた診療報酬の抜本的引き上げ、地域医療への支援強化を行います
歴代自民党政権による診療報酬の抑制が、医療経営の危機と医療従事者の労働条件の悪化をもたらしています。
自民・維新政権による、2026年度の“診療報酬本体3%超の引き上げ表明”は運動と世論の成果ですが、医療の危機を打開するには、国庫負担の拡大とあわせた診療報酬の抜本的な増額が必要です。
――歴代自民党政権がとってきた医療給付費の削減路線を根本的に転換します。
――患者負担増や保険料の負担増を起こさないための国費投入・国庫負担の引き上げを行いながら、診療報酬のさらなる増額・改善を進め、「医療崩壊」を止めて、医療従事者の賃上げをはかります。
――自民・維新・公明で合意した、“削減ありき”“数値目標ありき”の「11万病床削減計画」の押しつけに反対します。「地域医療構想」の名による病床削減、強引な病院統廃合をやめさせます。
――医師養成数の削減計画を中止し、「臨時増員措置」を継続するなど医師の計画的増員を進めます。
――病院の勤務医などに「過労死ラインの2倍」までの時間外労働を可能とする現行の仕組みをあらため、医師の計画的増員や診療報酬の改善を進めて、医師の長時間過密労働の是正をはかります。
――看護師の計画的な増員を進めます。あらゆる医療従事者の処遇改善を進め、地域医療の基盤の拡充・強化をはかります。
OTC類似薬の「特別料金」徴収など、薬剤費の患者負担増をやめさせます。
OTC類似薬(市販薬と同等の効能とされる処方薬)をめぐっては、日本維新の会が医療保険の対象から外す大改悪を要求していましたが、「そんなことをすれば、患者の薬剤費負担は、数倍から数十倍に跳ね上がる」「アレルギーの薬や解熱剤が、自治体の子ども医療費無料制度の対象からも外される」などの大きな批判の世論と運動が起こり、全面的な“保険外し”は断念に追い込まれました。
しかし、自民と維新は密室合意で、OTC類似薬(77成分・1100品目)の価格の4分の1にあたる額を「特別料金」の名で患者から徴収する案を決め、選挙後の国会に法案を提出して可決・実行しようとしています。これがとおれば、保険医療の窓口負担が「3割」の人の場合、薬剤費の負担は「5割」に跳ね上がることになります。
アレルギーや慢性疾患の患者からは、「追加負担の設定は、つらい症状を抱えて暮らす患者への罰則のようだ」と怒りの声が上がっています。健康保険法(2002年改定法)の付則は「将来にわたって7割の給付を維持する」と明記し、当時の厚労相も「自己負担は3割が一つの限界」と答えていました。現行法も国会答弁もないがしろにすることは断じて許されません。
自民・維新の改悪案には、さらに、在宅患者の栄養状態の保持のために処方される栄養剤などの医薬品(食品類似薬)にかかわる負担増、先発医薬品と後発医薬品(ジェネリック)の価格差の一部を患者から徴収する仕組み(2024年導入)のさらなる拡大など、薬剤費にかかわる患者負担増が目白押しで盛り込まれています。
――日本共産党は、OTC類似薬の「特別料金」徴収をはじめ、薬剤費に関わる患者負担増の改悪に反対します。
高額療養費の負担増案の“復活”に反対します
医療費の月ごとの負担に上限を設ける「高額療養費制度」について、自民党政権は2025年の通常国会に負担増案を提出しましたが、患者・当事者の告発と運動、国民世論の包囲によって“予算修正・負担増凍結”に追い込まれました。
その後の検討を経て出し直された案は、年間の負担上限を設定するなどの改善も含まれていますが、全体として患者負担を引き上げる内容となっています。
――高額療養費の負担増案の“復活”を許さず、改悪部分を撤回させます。
高齢者いじめの医療費負担増をやめさせ、負担の軽減を進めます
「高齢者の窓口負担の原則3割化」をかかげる維新が高市政権の与党となるもと、高齢者に医療費の負担増を押しつける動きが、いっそう加速しています。
2025年10月に自民・維新が結んだ「連立政権合意」は「医療費窓口負担に関する年齢によらない真に公平な応能負担の実現」「高齢者の定義見直し」を明記するなど、政権がめざす課題の一つに、高齢者の医療費負担増を位置づけました。
政府が2025年11月に打ち出した「総合経済対策」にも、▽高齢者の自己負担割合の見直し、▽高齢者の窓口負担にたいする金融所得・資産の反映が盛り込まれるなど、自維合意の“着実な”履行をめざすのが、高市内閣の方針です。
自民・維新と「医療費削減」で合意した公明党、党首である玉木雄一郎代表が維新の示す「医療制度改革」に「方向性もメニューも賛成」と明言した国民民主党、「終末期医療の全額自己負担化」を公約する参政党なども、高齢者と現役世代の“対立”をあおる議論をふりまきながら、医療費の患者負担増を推進する立場です。
高齢者の多くは、収入は年金が中心で、現役世代の半分以下です。その一方、病気にかかりやすく、慢性疾患などの受診の頻度は高くなっています。そうした特性を持っている高齢者の窓口負担は、現役世代より低くなっているからこそ、生活をなんとか維持できる水準にとどまっています。高齢者への窓口負担増は、本人の命と健康に悪影響を与えるだけでなく、高齢者をケアしている現役世代の家族にとっても負担増となるだけです。
――高齢者に際限なく負担増を押しつける医療改悪をやめさせ、70歳以上の窓口負担を一律1割に引き下げ、軽減・無料化を進めます。
高すぎる国民健康保険料(税)を引き下げ、住民と医療保険制度を守ります
市町村が運営する国民健康保険は、加入世帯主の4割が年金生活者などの無職、3割が非正規労働者で、フリーランスやギグワーカーの人も加入するなど、低所得者が多く加入する医療保険です。ところが、平均保険料は、4人世帯の場合、同じ年収のサラリーマンの健康保険料の2倍になります。
全国知事会や全国市長会は、加入者の所得が低い国保が他の医療保険より保険料が高く、負担が限界になっていることを「国保の構造問題」だとし、これを解決するため、公費投入・国庫負担を増やし国保料(税)を引き下げることを国に要望し続けています。
「高すぎる社会保険料を引き下げる」「現役世代の手取りを増やす」というなら、医療保険料のなかでもっとも高い国保料(税)を抜本的に引き下げ、他の医療保険との負担の格差を解消するべきです。
――1兆円の公費投入増で国保料(税)を抜本的に引き下げ、協会けんぽの保険料並みに引き下げます。
――「人頭税」と同じ「均等割」「平等割」を廃止します。「所得割」の保険料率の引き下げ、低所得世帯に重い「資産割」がかかる問題の改善などを行います。
――生活に困窮する人の国保料(税)を免除し、その費用を国庫で賄う制度をつくります。
自民政権は2018年度から、それまで市町村ごとに分かれていた国保の財政を都道府県に集約する「国保の都道府県化」を行いました。この制度改変の最大の狙いは、市町村が一般会計から国保会計に繰り入れて行っている、自治体独自の保険料(税)軽減をやめさせて、その分を住民の負担増に転嫁させることです。
そのため、「標準保険料率」、「保険者努力支援制度」など、自治体独自の公費繰入をやりにくくする、さまざまな仕組みが導入されました。さらに、政府は、「保険料の統一化」の名で公費繰入をやめさせる圧力を強化しています。
国保が「都道府県化」されても、「地方自治の本旨」「自治体の条例制定権」を定めた憲法のもと、自治体が独自の公費繰入を続けることは可能です。
――「国保の都道府県化」による国保料(税)引き上げに断固反対し、自治体を住民負担増・給付削減へと駆り立てる仕組みを撤廃します。
所得がなくて国保料(税)を滞納した人が、10割負担(特別療養費の支給)となったり、なけなしの預貯金や家財道具を差し押さえられたりする事態が広がり、大きな社会問題となっています。
失業や病気、事業の不振などで国保料(税)が払えなくなった加入者に行政が追い打ちをかけ、さらなる貧困に叩き落すようなことがあってはなりません。
――滞納者へのまともな支援もしないまま、10割負担(特別療養費の支給)にするような、無慈悲な制裁をやめさせます。
――差し押さえなどの強権的な取り立てを奨励する、国の行政指導をあらためます。
――滞納者の生活実態をよく聞いて親身に対応する相談・収納活動に転換します。
住民負担増の改悪をストップし、保険料・窓口負担の軽減をすすめます
――高所得とはいえない世帯にも負担増を押しつける、国保料(税)の負担上限の引き上げに反対します。
――障害者、高齢者などの医療費無料化(現物給付)を行う自治体に対し、国保の国庫負担を減額する国のペナルティ(地単カット)をやめさせます。
――国保法第44条の規定にもとづく、生活困窮者の窓口負担(一部負担金)の減免を積極的に推進します。
――国保組合が行う独自給付への攻撃に反対し、国庫補助を守り、拡充します。
すべての世代で窓口負担の軽減を進め、“窓口無料”をめざします
「現役世代=3割、高齢者=1~3割」という窓口負担が国民のくらしを圧迫し、受診抑制が起こっています。欧州諸国などでは、公的医療制度の窓口負担は無料や低額となっています。日本でも、1980年代まで「健保本人は無料」「老人医療費無料制度」でした。応能負担の原則にそって保険料や税の負担を求めつつ、患者負担は低額に抑え、必要な医療を保障するのが、公的医療制度の本来の在り方です。窓口負担の軽減を進め、将来的には“窓口負担ゼロ”の医療制度に前進していきます。
――国の制度で、18歳までの医療費無料化を実現します。
――現役世代の窓口負担の2割への引き下げをめざします。
――高額療養費制度の改善・拡充を進めます。
高齢者に差別と負担増を押しつける後期高齢者医療制度を廃止します
後期高齢者医療制度は、国民を年齢で区切り、高齢者を別枠の医療保険に強制的に囲い込んで、負担増と差別医療を押しつける稀代の悪法です。2008年度の制度導入以来、8回にわたる保険料値上げが実施され、高齢者の生活を圧迫する重大要因となっています。
――後期高齢者医療制度の保険料・窓口負担の引き上げをやめさせ、差別制度を廃止します。
――減らされてきた高齢者医療への国庫負担を抜本的に増額し、現役世代の支援金負担や、高齢者の保険料負担の軽減を進めます。
「マイナ保険証」の強制に反対します
――「マイナ保険証」の強制をやめさせ、健康保険証を存続させます。
――いままでの保険証の代わりとなる資格確認書は、高齢者・障害者にとどまらず、マイナ保険証を持っている人を除外せず、全員に国の責任で交付します。
――不具合が続出している、マイナンバーカードによるオンライン資格確認の中止・見直しを求めます。
➡各分野の政策「63、デジタル化問題、個人情報保護、マイナンバー」もごらんください。
「子ども・子育て納付金」の名による医療保険料の値上げに反対――子育て支援の財源は、大軍拡の中止、富裕層・大企業に応分の負担を求める改革で確保します
2024年の法改定で決められた、健康保険料や国保料(税)に「子ども・子育て納付金」を上乗せして徴収する制度が26年度から始まります(28年度までかけて段階的に実施)。
医療保険料は医療給付の財源を確保するものであり、本来、公費で行うべき子育て支援の財源として医療保険料を引き上げるのは、そもそも“筋違い”です。国保料(税)の現状が示すとおり、医療保険料は逆進性が高く、新たな支援金の上乗せは、地域や加入する医療保険による保険料格差をさらに広げます。
2024年の「子ども・子育て支援法改定案」の審議で、政府は、“社会保障削減以外の歳出改革によって得られた財源は、すべて軍事費に充てる”という方針を答弁しました。
軍事費の増大を最優先にしながら、「社会保障を削減するか、保険料を上げるか」という選択を国民に押しつけ、現役世代と高齢者、子どものいる世帯とそれ以外の世帯の“対立”と“分断”をあおるような手法は認められません。
先進国のなかでもっとも貧弱な日本の子育て支援策を充実させる財源は、戦争準備の大軍拡をやめ、大企業・富裕層への優遇税制を見直す税制の改革を行ってこそ確保できます。
――「子ども・子育て納付金」の名による医療保険料の値上げではなく、大企業・富裕層に応分の負担を求める税制の改革、大軍拡の中止や浪費の是正のなどの歳出改革によって、子育て支援の財源を確保することを求めます。
高額療養費制度の改善を進めます
国民の世論と運動によって「凍結」に追い込まれた、高額療養費制度の患者負担増案の“復活”を許さず、制度の改善を進めます。
――高額療養費制度の負担限度額の上限を引き下げ、「1%」の定率部分をなくします。
――限度額の設定を“月ごと”から“治療ごと”にあらため、「治療が月をまたぐと高額療養費が適用されない」という矛盾を解決します。
――世帯の所得区分ごとに年間をつうじた負担上限額を設け、「同一世帯でも、加入する医療保険がちがうと医療費を合算できない」問題の解決を図ります。
――現行では3疾患(血友病、HIV、人工透析の腎臓病)に限られている「高額長期疾病にかかわる高額療養費の支給特例」を拡大し、療養が長期にわたる場合に対応した「長期療養費給付制度(仮称)」を創設します。
――対象が限定され、当事者が申請しないと適用されない、高額医療・介護合算制度を抜本に見直します。
新型コロナウイルス感染症から国民の命と健康を守ります
――新型コロナ感染症の抗ウイルス薬などに公費補助の仕組みを設け、患者の自己負担を、インフルエンザにおけるタミフルなどと同程度に抑えることを求めます。
――新型コロナワクチンについて、経済的負担から接種をあきらめる人がないよう、負担軽減の仕組みを創設します。
――新型コロナワクチンの有効性・安全性について、新たな知見・エビデンスも含め情報提供を行い、国民の疑問に答えることを国に求めます。ワクチン接種後に起こっている有害事象について、原因を徹底究明するとともに、接種と症状との因果関係の認定に至らなかった事例も含めた幅広い補償・救済を行っていきます。
――地域医療体制への支援を強化し、コロナ感染者やその疑いのある人が十分な検査と治療を受けられるようにします。救急・入院の拡充など「コロナ以外」の医療の逼迫が起こらないようにする体制の強化を図ります。高齢者・障害者施設、医療機関などにおける検査等の防護措置の実施を国が支援し、「かかりまし経費」にも手当を行うことを求めます。
――肺・心臓の長期的障害やME/CFS(筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群)など、「コロナ後遺症」の治療・研究、患者への生活支援を国の責任で進めます。
新興・再興感染症の到来に備える体制を構築します
はしか(麻疹)・風疹の患者が多く発生し、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)・AIDS患者も増加傾向にあるなど、日本はもともと、先進国のなかでも屈指の「感染症大国」です。
ところが、社会保障費抑制をかかげる自公政権のもと、国の感染症対策は後退・縮小が繰り返され、空港・海港などでの水際検疫体制も不十分であることが、コロナ・パンデミックのなかで明らかになりました。
世界では、AIDS(後天性免疫不全症候群)、エボラ出血熱、SARS(重症急性呼吸器症候群)、鳥インフルエンザ、ニパウイルス感染症、ラッサ熱、MERS(中東呼吸器症候群)など、「30年間に少なくとも30の感染症が出現した」と言われるような、新興感染症の出現が相次いでいます。国際社会は、「コロナ・パンデミック」の教訓を踏まえ、次の新興・再興感染症の発生に備えた体制・制度の整備を、世界共通の重要課題と位置付けています。
日本における、次なる新興・再興感染症の到来に備える体制の構築を進めます。
――コロナ危機の教訓を踏まえ、感染症病床の2倍化、保健所の箇所・職員数の大幅増、ICU(集中治療室)設置を支援する制度の創設、救急医療体制の充実、国立健康危機管理機構・国立感染症研究所の研究予算・体制の抜本的拡充、政府から独立した感染症に対応する科学者の専門機関の新設などを進めます。
――ワクチンや治療薬の研究・開発に対する財政支援、水際・検疫体制の抜本的な強化、予防接種の推進、正確な知識の普及など、感染症の発生をくいとめ、重症化を防止する施策を国の責任で推進します。国際的な感染症対策に対する人的・財政的支援を強めます。
――国からの財政支援や診療報酬の増額・改善により、新興・再興感染症の発生・拡大に備える検査・医療体制を拡充し、体制・人員・資器材等の確保を進めます。国際社会と共同し、感染国への支援の強化を図ります。感染国から帰国した邦人に対する調査・予防の措置は、人権を守る立場から行うようにします。
――性感染症の予防・治療を進めます。教育・保健の連携による性に関わる正しい知識の普及と予防法の周知、検査体制の強化、一般医療機関への情報提供による早期発見の推進、患者の人権を守る取り組みの強化などを推進します。
――安全性・有効性が確認されたワクチンの公費接種事業を進めます。ワクチン接種後に有害事象が起こった事例について、原因の徹底究明と調査、被害者の治療・補償・救済を、国の責任で進めます。
「医療費適正化計画」による給付削減の改悪に反対します
自公政権は、都道府県に「医療費適正化計画」を策定させ、医療給付費抑制の「目標」を課し、医療提供体制の「効率化」をせまる取り組みを強化しています。そのツールとして、地方別診療報酬を発動させるという主張も強まっています。住民の命と福祉を守る自治体を、医療切り捨ての先兵に使うなど許されません。
――「医療費適正化計画」による強権的な給費削減の推進に反対し、都道府県・市町村を医療切り捨てに動員する仕組みの撤廃をめざします。
混合診療の拡大、医療の営利産業化を許しません
――保険外治療の拡大、混合診療の全面解禁にむけた策動を許さず、「必要な治療はすべて保険で給付する」「安全・有効な治療法はすみやかに保険適用する」という原則にそって保険治療の拡充を進めます。
――差額ベッド料などの自費負担をなくし、安全で質の高い治療を保険で受けられるようにします。
――社会保障と相容れない経営原理の持ち込みや、株式会社による医療経営解禁を許さず、非営利原則を守ります。
協会けんぽの改悪に反対し、中小企業の労働者の医療を守ります
――協会けんぽへの国庫補助を法定上限の「20%」に引き上げ、労働者・中小企業の負担軽減にむけた、国の支援を強化します。
健診をゆがめる制度改悪に反対し、改善・充実をはかります
――「自己責任」の名で健診をゆがめ、国民の健康保持に対する国・自治体の責任を後退させる改悪に反対します。病気の予防・早期発見という本来の主旨にたって、健診の改善・充実を図ります。
――国民の健診データ・情報を営利企業に引き渡し、儲けの道具にする動きに反対します。
医科でも歯科でも、国民に安全・安心の医療を保障するために
異常な高薬価構造にメスを入れます
――不合理・不透明な薬価制度やその根底にある政官業の癒着構造にメスを入れ、薬価構造を根本的に見直します。
――新薬等の高薬価の是正によって得られた財源を、医療の充実や医療従事者の処遇改善などにふり向けます。
無料低額診療への支援を進めます
――医療機関が行う、無料低額診療への支援を強めます。薬剤費への制度適用を進めます。
障害者の医療費無料化を国の制度で
➡各分野の政策「28、障害・難病・慢性疾病」をご覧ください。
診療報酬の改革を進めます
診療報酬を「医療費削減」の道具にする政治を改め、抜本的な増額と改善を進めます。
――医薬品・医療機器に偏った報酬評価のあり方を見直し、医療従事者の労働を適正に評価する診療報酬に改革し、医師・看護師などの労働条件の改善を進めます。
――“安上がり医療”を狙った「包括払い(定額制)」の導入・拡大に反対し、「出来高払い」による給付を守ります。
――初・再診料、入院基本料を適正に評価し、引き上げます。
――高齢者の給付費削減や入院患者の”追い出し”を狙った報酬を撤廃します。
――標準算定日数を超えたリハビリを「保険外併用療養」とする制限をやめ、保険適用の拡充を図ります。
――人工透析「夜間・休日加算」を患者負担の軽減とともに適切な水準へ引き上げます。
出産費用の無償化をめざします
政府は、「出産に対する支援強化」として、通常分娩を保険診療とし、窓口負担をゼロにする案を検討していますが、「出産費用の無償化」は当然の方向です。
一方、そうした政府の検討案にたいし、当事者からは、出産にかかわる診療・サービスが“保険適用の標準診療”と“保険外の自費サービス”に分けられることで、多様な出産方法やオプション・サービスの選択がしにくくなることへの懸念も出ています。
産科医療機関からも、保険診療化による経営悪化や、多様なサービスの提供がしにくくなることで、事業継続が困難になることへの危惧の声が出されています。
政府・厚労省が、通常分娩の保険診療化を通じて「出産費用の無償化」を進めるのであれば、無痛分娩、助産師による分娩など当事者の多様な選択を保障し、産科医療機関に対する抜本的な支援とセットで行うことが必要です。現行では窓口負担の対象とされている帝王切開などの医療行為についても、すみやかな無償化がはかられるべきです。
――出産一時金のさらなる増額を求め、出産費用の無償化を進めます。
――政府が通常分娩の保険適用・窓口無料化を行う場合には、当事者の多様な選択を保険診療によって保障することとともに、出産一時金(現金給付)の支給も継続するなど、自費サービスや出産前後にかかる諸費用の軽減を不断に進めていくことを求めます。
助産師・助産院への公的支援
みんなが安心してお産のできる環境を確立し、助産院ならではの、喜びと満足のある質の高いお産を普及・発展させるため、国の支援を強化します。
――助産師の養成数を増やし、助産院に対する公的支援を進めます。
――助産院を地域の周産期医療ネットワークに位置づけ、「院内助産所」の設置をすすめるなど、助産師と産科医の連携を国の責任で推進します。
――政府が通常分娩の保険適用・窓口無料化を行う場合は、助産院での出産、開業助産師による自宅出産、助産師による妊産婦へのケアや各種指導などについても、産科医療機関との連携など安全確保を前提に、保険適用を求めていきます。
歯科医療の充実、国民の口腔の健康づくりを進めます
国民の「口腔の健康」を守り、「保険でよい歯科治療」を実現するため、歯科の診療報酬の抜本的な増額と改革、歯科医療の充実にむけた支援を進めます。
――歯科の初・再診料の水準を抜本的に引き上げ、医科・歯科間格差を是正します。
――歯周病の治療・管理や義歯に関わる包括的・成功報酬型の診療報酬を撤廃し、治療行為を適正に評価する報酬に改定します。画一的な文書提供業務の押しつけをやめさせます。
――歯科医療への需要の高まりや、治療技術の進歩に対応し、保険治療の拡大と保険外治療の解消を図ります。
――歯科衛生士の役割を、適正に評価する診療報酬にあらためます。
――歯科技工士が仕事を継続でき、歯科医と連携して「よい入れ歯」を保険で給付できるよう、歯科技工物に対する診療報酬の改善を進めます。海外技工物の輸入・使用・安全性の実態を調査し、材料・製作者・技工所などの基準を設けて規制を行います。
――金銀パラジウム合金の「逆ザヤ」による歯科医療機関の経営難を解消するため、金パラ合金に関わる診療報酬の抜本的な見直しを求めます。
――歯科健診の充実など、国民の口腔の健康を守る取り組みを国の責任で推進します。
医療の安全、患者の権利の確立
――医療事故の検証を行う調査機関について、制度の改善を求めていきます。
――産科医療補償制度の抜本的見直しを進めつつ、諸外国のような幅広い医療事故に対応できる無過失補償制度の創設をめざします。
――患者の権利を明記し、医療行政全般に患者の声を反映する仕組みをつくる「医療基本法」の制定を進めます。
――患者のための情報開示というニーズを満たさない一方、医療現場に負担を強いている、現行の「診療明細書の発行」を見直します。
がん対策の推進
――「がん対策基本法」の主旨にのっとり、どこにいても必要な治療・検査を受けられる、医療体制の整備を図ります。
――国の責任で、がんの専門医の配置や専門医療機関の設置を進め、所得や地域にかかわらず高度な治療・検査が受けられる体制を確立します。
――未承認抗がん剤の治験の迅速化とすみやかな保険適用、研究予算の抜本増、専門医の育成、がん検診への国の支援の復活など、総合的がん対策を推進します。
――窓口負担の引き下げ、「高額療養費の支給特例」の改善・拡充、公費助成の導入など、長期治療が必要ながん患者に、自己負担の心配なく給付を保障する制度の確立を急ぎます。
必須医薬品の安定供給をすすめます
――必須医薬品の安定供給を確保するため、後発品(長期収載品)の薬価を採算のとれる水準にするよう見直します。同時に、メーカーに責任を課すこと、委託生産の規制強化や、原薬の国産化を進めます。
薬害・肝炎対策を進めます
薬害の解決と被害者救済に全力をあげます。
――血液製剤による薬害C型肝炎について、▽カルテのない被害者の救済困難、▽対象となる血液製剤の限定、▽先天性疾患の治療や“血液製剤以外の経路で感染した被害者”は救済対象から外される――などの問題点の改善を進めます。すべての被害者の一律救済をはかり、製薬企業に謝罪・補償・再発防止を行わせるなど、全面解決への努力を続けます。
――注射針の使いまわしなどによる薬害B型肝炎についても、救済のスピードアップや被害者の“線引き”解消を進めます。国の体制整備の遅れを打開し、すべての被害者の救済をはかるとともに、差別・偏見解消の取り組みなど、全面解決にむけた努力を行います。
――薬害肝炎原告・弁護団と国が結んだ「基本合意」、薬害肝炎検証委員会の『最終提言』にもとづき、薬害防止を目的に医薬品行政を監視する第三者機関の早期設置を求めます。
――ウイルス性肝炎患者の治療推進と生活支援にむけ、肝炎対策基本法のさらなる充実、ウイルス性肝硬変・肝がん患者に対する医療費助成制度の早急な創設を求めます。
――ウイルス性肝炎を「高額長期疾病にかかわる高額療養費の支給特例」の対象に追加し、患者負担を軽減します。「無料検査」の拡充、「肝疾患診療連携拠点病院」の整備、「肝炎情報センター」の機能拡充など、陽性患者の早期発見と治療にむけたフォローアップの施策を推進し、情報提供、研究体制の充実を図ります。
医療機関への消費税ゼロ税率適用、事業税非課税・租特法26条の存続
――保険診療には「ゼロ税率」を適用し、医薬品などにかかった消費税が還付されるようにします。
――社会保険診療報酬に係る事業税の非課税措置を継続します。租税特別措置法第26条等に規定された、医療機関の概算控除の特例を存続させます。
救急医療の拡充
――救急・救命体制への国の補助を2倍にし、救急用病床を増強します。新しい国の補助制度をつくり、ICU病床(HCUを含む)の2倍化を図ります。
――救急隊員の抜本増、ドクターヘリの充実、地域医療の再生とあわせた救急・搬送体制の整備・拡充を進めます。
――国の責任で小児救急体制を整備し、新生児特定集中治療室(NICU)を増やします。
はり・きゅうの保険適用の改善を求める
――「同意書」のあり方や対象疾病の範囲を再検討し、診療技術料の引き上げを行うなど、「はり・きゅう」の保険適用の改善・拡充を求めます。
在宅医療・介護における駐車問題の解決
――在宅医療や訪問看護に従事する人たちが、業務中に駐車禁止で取締りを受ける不安を感じないで仕事ができるよう、柔軟で実態に応じた運用がされるよう求めます。



